安全・防犯

皇太子妃、雅子さまが学生時代を過ごされたボストンは、アメリカの大都市のなかでは比較的安全といわれています。しかし現実には、安全な地域と危険な地域が比較的はっきりしており、低所得者向けの「プロジェクト」と呼ばれるアパートが建ち並ぶ南のエリアでは犯罪が多発しています。以下に留意点を挙げておきます。

留意点

主な留意点は以下の通りです。

  • 盗難対策―― 鍵は必ずかける
    自動車の盗難率も高いので新車、高級車の類は盗難防止装置($100 以上)をつけるとよいでしょう(これをつけていると、自動車保険料が安くなることもあります)。また、それ以外に盗難防止用の鍵(ハンドルロック、$50 程度)も売っています。自転車にはU 字ロック(Krypto Lock、$60 程度)が頑丈ですが、それでも折られて盗まれる可能性があります。最近では強化型のクリプトロックや、接続部の隙間をカバーして折られにくくする部品も売られているようです。
  • 女性の夜の一人歩きはしない
    もし夜コンピュータワーク等で遅くなった時はタクシーに乗るか、キャンパス内であっても夜10時以降は SafeRide を使いましょう(MIT でもレイプ、強盗事件が報告されています)。また、その他の場所であれば必ず男性のエスコートを頼むか、複数で出かけるようにしましょう。また、駐車場、トイレ、教室など一人になる場所ではいつも気をつけていることが大切です。
  • 公共の場では貴重品から目を離さない
    過去に、MIT のファカルティクラブですら盗難があったそうです。また、Kendall 駅前のカフェ Au Bon Pain で、スローンの学生がラップトップPC を持ち逃げされたこともありました。


SafeRide


MIT では午後6 時以降 SafeRide というサービスを提供しており、30 分ごとにキャンパス内の主要地点へシャトルで送迎してくれます。また、夜遅くなった場合には、アパートや最寄り駅まで快く送ってくれるクラスメート・チームメイトがほとんどです。遅くなっても地下鉄の中は比較的安全ですが、駅周辺が閑散としてしまうところもありますので、アパートが駅から遠く、一人で歩かなくてはならない場合にはタクシーを使うほうが賢明でしょう。

要注意地域

知らないで迷い込み、危険な目にあうことのないよう、ボストンの要注意地域について最低限の情報のみ挙げておきます。「実際に危険な目にあった」との体験が幸いにして少なく、また最近治安も向上してきているため、一部は伝聞形・過去形になっていることをご容赦ください。

  • Roxbury
    ボストンのHuntington Ave の南に位置するこの付近一帯は映画にも取り上げられたほどのボストンの犯罪多発地域で、車で迷い込むだけでも荒廃した住居の様子にひやりとすることがあります。興味本意で行くのはやめましょう。
  • South End
    この付近も夜間は極端に人通りが減るので、あまり立ち寄らないほうがよいと思われます。
  • China Town
    中華料理が安く楽しめるここChinatown も夜は気をつけたほうがよい地域です。ポルノショップなどが建ち並ぶWashington St.(俗にコンバットゾーンと呼ばれる)では毎年数件強盗事件が発生しています。
  • North End
    本格的イタリア料理が楽しめますが,その奥部からCharlestown にかけて非白人は危険といわれています。「一人歩きは避けるように」とのISO からの注意がありました。
  • Central Square
    ケンブリッジの中では夜は危険といわれている地域で, 暗くなってからの女性の一人歩きは禁物です。特に低所得者のアパートが建ち並び、Central Square からMIT にかけては夜間は人通りもまばらです。MIT の寮のあるAlbany St.周辺では昨年数件の強盗事件がありました。
  • MIT
    我等がMIT も決して治安がよいとはいえません。キャンパスというのは、夜は人通りが極端に減るうえ、薄暗い木立も多いからです。ビジネススクールの暮らしのなかでは、チーム・ミーティングやコンピュータ・センターでの作業が深夜に及ぶことは避け難いと思われます。そのような場合、特に女性の方には、教室のすぐ近くの駐車場に車を停めてあったとしても車までグループのメンバーに送ってもらうといった注意が必要です。
  • 地下鉄
    Tと呼ばれるボストンの地下鉄は、近年警察が大幅に増強され、治安は良くなっています。それでも、二~三年前に地下鉄のトイレで日本人がノックアウト強盗されるという事件もあったそうです。トイレの利用は特に女性はかなりの注意が必要です。
    せっかくボストンの生活を楽しみにしているみなさんの気持ちに水をさすようで恐縮なのですが、”Overall,Boston is a safe city. But this is a CITY. Anything can happen.” というボストニアンの言葉どおりなのです。過度に神経質になる必要はありませんが、起こり得る危険を十分に把握した上で、常に最低限の注意を怠らないことを心がけてください。アメリカでは、「自分の身は自分で守るもの」なのです。

情報源

以下の Web サイトで、ボストン地域の客観的な治安状況を把握できます。

また、MIT Police Department のサイトには、犯罪(盗難)を防ぐためのTips が掲載されています。自転車のOnline 登録(無料)などもできます。