Independent Activities Period (IAP)

毎年1月に1ヶ月間かけて実施される自己研鑽プログラムです。

この期間には、通常の授業はありません。MIT 全学規模で、学術的なものから趣味的なものまで幅広く用意されているクラス群の中から、自分の興味に応じてどんなことに挑戦してもいいというユニークな制度です。以下、いくつか特徴的なものをご紹介します。詳しくはWebサイト(右のReference)をご覧ください。

  • Boeing 767 Cockpit Systems and Automation
  • How to Generate Compelling Business Ideas for the MIT $50K Business Plan Competition
  • Calculus with Applications
  • Art and Architecture Tour of the Boston Public Library
  • Chocolate Tasting
  • Russian Language for Beginners
  • Flute Ensemble
  • 柔道
  • 将棋入門

趣味的なクラスは無単位ですが、そのほかに単位(ほとんどが 3 単位)がつくクラスも用意されています。もちろん、この単位は卒業に必要な144単位に組み込むことが可能です(IAP一回ごとに最大12単位)。以下に在校生が実際に受講したクラスをご紹介します。

代替
代替
IAP

15.973 Distributed Leadership

ピラミッド型組織から流動的・融合的な組織に変化している今日、強いリーダーシップは、経営トップだけでなく、あらゆる場面・階層で求められるという基本観 で本コースは構成されています。 本コースのエッセンスは、 Visioning, Relating, Inventing, Sense-making の 4 つの能力をバランス良く応用することにあります。他のビジネス・スクールや一般のビジネス書とは異なり、 Inventing や Sense-making にも同等の重要性を置いている点 が大きな特徴といえます。

授業は、 3 日間、文字通り朝から晩まで集中的に議論・演習を繰り返 す形で行われました。クラスメートとの議論を通じて、自分の価値観、長所および短所を深く見つめ直すことができます。なお、教授は「リーダーシップ」の定義を一切行わず、数々のコンセプトやテクニックを紹介することで、各人にとってのリーダーシップ像を探求することのサポート役に徹します。

余談ですが、朝食・昼食・スナックがすべて学校から提供された点も、非常に魅力的でした(宅配ピザではなく、 Faculty Club でのフル・ミール)。なお、このクラスを履修することで 5 単位を獲得することができます。

15.975 Nuts and Bolts of Business Plans

ビジネスプランはどういう人たちに何故必要なのかという基本から始まり、ビジネスプランに盛り込まれるべき主要な各項目( Executive Summary, Vision/Business Model, Products/Services/Strategy, Organization/Management Team, Financials)、プレゼン方法、その他の留意事項(リーガル、チームダイナミクス等)についての6日間のコース。

特徴は、 実際 M.I.T.のビジネスプランコンテスト ($50k) のファイナリストとして起業し、エンジェル、VC の金もすぐについた会社のCEOが来て、自分ビジネスプランと商品を実際に皆で紹介したあとで、起業後に何が起こったのか、そして振り返ってビジネスプランのどこが良くて、どこに問題がひそんでいたのかなどという話を振り返りながら、他のビジネスプランとの比較も交えて学べるように構成されている点。最後にチームでビジネスプランのプロポーザルを出せば 3 単位もらえてかつフィードバックが受けられる。他にもリーガル面で弁護士からのアドバイス、幾つもの起業を行った人の体験談(失敗と成功例の比較、現在起業中の会社の概要)、MIT Entrepreneurship Centerの世界の各拠点を結んでのコンファレンスなど、MITの持つEntreprenurshipのリソースの醍醐味を味わえる。

15.976 Starting and Building a Successful High Tech Venture

15.975 が起業前によりフォーカスしているのに対し、こちらはどちらかというと起業後の成長のドライバーとリスクという観点が盛り込まれているが、内容としては重なるところが多い。ただ、ビジネスプランを明示的に取り上げるのではなく、ゲストスピーカーとしてVC、エンジェル、社内VCを持つ大企業(ストラテジックバイヤー)、変わったところではVB取材記者を日替わりで呼んできて、彼らが何をチェックし何を求めるのかということを学ぶスタイルになっている。

11.961 Negotiation for Real Estate Professionals

ケースディスカッションと模擬ネゴシエーション(各自あるいは各チームに状況と役割がその場でアサインされてそれを元に交渉を決められた時間内に行っていく)を通じて、ネゴシエーションの基本コンセプトを理解することができる。Urban Plannning School 主催でトピックは不動産に特化しているが、IAPということもありテクニカルな知識がなくとも何とかなり、ネゴも普段ビジネススクールにいる者にとってはトピックが新鮮でかつ具体的なので面白かった。最後に地域再開発についてのケースライトアップが課された。

11.180 Social Entrepreneurship and Its Role in Society

レクチャー 2/3、ゲストスピーカー1/3の割合で Social Entrepreneurship の基本コンセプトについてひととおり学ぶ。リーディングの量はかなり多い。個人的にはSocial Entrepreneurship にこれまで興味があったもののリファレンス含めとっかかりがなかったので面白かった。ただレクチャー中心なので、この分野にあまり興味のない人には退屈かもしれない(興味のない人に興味を喚起するような構成にはなっていない)。