選択科目

春学期以降は必修科目はありませんので、すべて自分の判断で受講科目を選んでいくことになります。ここでは、代表的な選択科目のいくつかを紹介していきたいと思います。

科目のリストについてはこちらのページをご覧下さい。

代替

Leadership/Communicationの分野で代表的な授業

15.281 Advanced Leadership Communication
コアの期間に履修するコミュニケーションのクラスのAdvanced版。内容はよりリーダーシップを意識したコミュニケーションの方法論となり、リーディングや課題のプレゼンの内容も、リーダーシップに関するものが多い。例えば、自分が参考になると思うリーダーシップスタイルを持った人にインタビューをして発表するなど。MBAの1,2年生に加えて、Sloan Fellowsも履修するクラスなので、色々なスタイルのプレゼンが見られたりするもの参考になる。

15.282 EnActing Leadership: Shakespeare and Performance
Shakespeareの劇をする授業で、学期の最後にはホールで観客を呼んでパフォーマンスをする。プレゼンをするときに声が通らない、人前で話すときにいまいち自信が足りない、といった悩みがある人にはおすすめなのでは、と個人的には思っている。履修している人は個性派が多いそうなので、そういった意味でも面白いかもしれない。

15.286 Communicating with Data
前半は見やすくメッセージ性の高いグラフの作成方法、後半はMinto Pyramidと呼ばれる論理構成について解説と実践を行う。毎回cold callやimpromptu speechがあり、図表を見て即時にメッセージを言語化する能力と、受け手に確実にメッセージを伝える図表作成技術が鍛えられる。2020年春学期はCOVID-19の影響によりオンラインになったものの、教授が映像効果を使った面白い授業を展開し、Excellence in Teaching Awardに輝いた。

15.665 Power and Negotiation
人気の高い授業の一つである交渉論の授業。基本的なフレームワークを前半で学び、後半では代理人交渉や非対面での交渉等、交渉の形式に拠って気を付けなければならない点や、交渉相手のバックグラウンドの違い(例えば欧米⇔アジアの文化的背景の違い)によって陥りがちな失敗について学ぶ。毎週クラス内で実際にクラスメートと交渉の演習あり。BATNAやReservation Pointといった交渉のフレームワーク等を活用してアメリカ人相手に演習することは色々と勉強になる。

Economicsの分野で代表的な授業

15.012 Applied Macro-and International Economics
有名なベビーシッター協同組合理論から始まるマクロ経済理論に関するレクチャーと、それが現実世界にどのように適用されるかのケーススタディが毎回交互に行われるユニークな構成の授業。特徴的な経済発展を遂げた国の例として、シンガポールと並んで日本の高度経済成長期のケースも扱うので興味深い。内容自体はベーシックなマクロ経済だが、レクチャー部分をSloan一の毒舌キャラであるRigobon教授がユーモアたっぷりに進め、ケーススタディ部分はHBSから移ってきたばかりのSteinwender教授がハーバード仕込みのコールドコールを連発しながら議論をリードしていくので、全く違った2つのスタイルの授業を経験できるのが面白い。

14.750: Political Economy and Economic Development
2020年のノーベル経済学賞受賞者・Abhijit Banerjeeが教鞭を取る経済開発の授業。ベストセラーとなった“Poor Economics”(邦題:『貧乏人の経済学』)も通読する。ボトムアップの課題認識と計量分析を使いつつ、貧困に関する議論を深めていく。関連した授業として、Banerjeeと共同でノーベル経済学賞を受賞したEsther Dufloが教えるFoundations of Development Policyもある。 BanerjeeやDufloをはじめ、著名な経済学者を擁するMITの経済学部の授業を受講・聴講できるのもSloanの魅力のひとつ。(Sloanにも、前述のRigobon以外にGenslerやTucker、Bonattiといった優れた経済学者が多く所属しています。)

Financeの分野で代表的な授業

15.402 Corporate Finance
CFOの視点を養う授業。Sloanのファイナンスの授業では中級レベル。大きくは3分野から成る。1.キャッシュマネジメント。事業拡大・不景気等様々なケースにて、企業の操業に必要な現金の借入や、その裏側の銀行サイドの融資検討等について考察。2.バランスシートの右側の最適資本構成や、余剰現金のペイアウト政策につきCFO的視点で考察。3.プロジェクト・企業価値評価、買収検討を行い、適切な投資判断を考察。凡そ1週間に1回、4人チームでケースを解いて授業前に提出する必要が有り、国際環境での協働も学べる授業。

15.431 Entrepreneurial Finance and Venture Capital
VCの収益構造、フィー体系、バリュエーション、投資ストラクチャー、タームシートの要点、Exit、CVとCVCの違い等について、レクチャーとケースで幅広く網羅する。併せて、アメリカで活躍するベンチャーキャピタリストやスタートアップの経営者をゲストスピーカーとして招き、VC業界と実務について学ぶ。

15.434 Advanced Corporate Finance
様々なvaluationの手法や論点を扱うファイナンスの発展コース。ValuationについてはDCFにおけるWACC法をおさらいした後、APV法、Equity Cash Flow Modelについて学ぶ。資本コストの考え方については理論を深堀。その後、Leveraged Buy-Out、Chapter 11を前提にしたリストラクチャリング、リアルオプション、シンジケートローン、プロジェクトファイナンス、非上場会社のvaluation、コーポレートガバナンス等、幅広いトピックについて学ぶ。Case assignmentが7-8回+中間試験+期末試験あり、ワークロードは決して軽くないが、毎回の授業のトピックが明確でケースも適切なものが選ばれているし、授業スライドも良く整理されていて復習もしやすい。

15.481 Financial Market Dynamics and Human Behavior
アンドリュー・ロー教授の独自の研究分野「Adaptive Market Hypothesis」を教授自らが教える授業。市場の効率性やそれを前提とした金融理論と、実際の人々の投資行動の非合理性が及ぼし合う影響を、経済学、心理学、脳神経学等の学問分野の知識を統合して考察する。金融業界志望者でなくても、「サステナビリティ」や「環境への順応力」といったテーマに対する示唆に富む教養的な授業。ロー教授は自身の研究をもとにヘッジファンドを立ち上げ成功させた他、ヘルスケアへの知見も深い。2012年にタイム誌の「世界で最も影響力ある100人」に選出された有名教授。

Operation/Managementの分野で代表的な授業

15.761 Introduction to Operations Management
オペレーションの導入編の授業。オペレーションの授業を今後取っていきたい人は最初に取ることをお勧めします。具体的には、Build-Up Diagrams、Queuing Theory、Inventory Management、TPS(Toyota Production System/トヨタ生産方式)、Six Sigma、Revenue Managementといったテーマについて、複数のシュミレーションゲームやケースを交え学ぶ。略全ての論点において統計学を用いた定量的な議論がなされ、例えばInventory Managementであれば「需要予測と実際の需要には誤差があり、在庫切れリスクと過剰在庫コストのtrade offの中で、収益を最大化する為にターゲットの在庫レベルをどこに設定し毎回幾ら発注すれば良いか」といった問いに定量的に答える為の手法を習得した。

15.762 Supply Chain Planning
オペレーションのadvanced course。Supply chain managementの中で、特に最適な在庫管理の手法にフォーカスしている。まず単一商品のシンプルなモデルをおさらいし、複数の商品・拠点・輸送手段を要素に加え、より複雑なモデルの中で数学と統計学を用いて最適解を見つける為の手法を学ぶ。教授はMIT SloanのLGO (Leadership for Global Operations) Programでも教えており、また企業のオペレーション面のコンサルティングに従事していることから、授業で扱うケースは実際に教授または教え子が直面した課題に基づいて作られており、授業はクライアントであった企業担当者との会話も再現しながら進む。単にモデル上の最適解を見つけるだけでなく、在庫管理担当者の心理やオペレーション変更を実際に導入する際に気を付けなければならない点など、実務面にも多く触れる大変示唆に富んだ内容。

15.819 Marketing Analytics
ビッグデータを活用したB to C領域のマーケティング手法を、解析ソフトのRや可視化ソフトのタブローを実際に使用しながら学ぶ授業。教授が元Facebookのデータサイエンティストで実務に非常に詳しく、「実際こういう時どうするの?」といった観点の話を教わることができる。Uber, Airbnb等の有名プラットフォーム企業のゲストスピーカー陣も豪華。Sloanの授業であるが、履修者はMBAn(ビジネスアナリティクスマスター)の学生が多く、MITの他学部のリソースとダイバーシティを感じられる授業でもある。

15.768 Management of Services: Concepts, Design and Delivery
言わずと知れたZeynep Ton教授の人気授業。「Customers, Employees, Investorsすべてを満足させるビジネスを実現するためには何が必要か」というテーマについて、主にサービス業・オペレーションの観点から深堀していく。毎回CaseでのDiscussionを行うためWorkloadは決して低くないが、最もInspiringな授業であった。テクニカルな学びもそうだが「将来どういう経営者になりたいか」という問いに対して一つの指針を示してくれる、Sloanにおいては希少な授業。

15.871 Introduction to System Dynamics
ビジネスモデル解析のみならず、伝染病の発生やサービスの流行りすたりに至るまで様々な事象を因果関係でモデル化していく。具体的には因果関係の相関図を基にフィードバックループを作ってそれが正の影響を与えるか、負の影響を与えるのかを(微分方程式を使って)定量化し、どのような時間変化が起こるのかを考察する。シミュレータを使った課題が多く、授業は議論寄りで理論は課題を通じて学習することになるうえ、モデル作成は大まかな方向性はあるが正解がなく度々議論が発散するため、チーム全体での意思統一が大事。

15.903 Managing the Modern Organization: Organizational Economics and Corporate Strategy
Organizational Processesの授業で学んだ、組織を診断・変革する際に役立つ3つのレンズ(Strategic/Political/Cultural)のフレームワークを応用し、戦略実現に向けて組織を動かす為に必要なハード/ソフト両面の要素について学ぶ。この授業は、特に組織におけるincentives, control rights, and relational contractsに着目しており、例えば従業員の報酬体系や組織間の契約関係の違いが組織にどのような作用をもたらすのか、ミクロ経済学のコンセプトを応用した分析とケースを用いて議論する。

15.904 Strategy and the CEO
ストラテジー分野の授業では秋学期に履修したCompetitive Strategyの上級コースの位置付け。担当教授であるMichel. A. Cusumano教授は、東京大学へ留学した後、東京大学と一橋大学で客員教授として計7年間日本で研究しており、MIT Sloan一と言っても過言では無い程の知日家。昨年度のsabbatical中は日本で研究をしていた程で、自動車及びソフトウェア産業を中心に日本の産業界についても詳しい。また、Bill GatesやSteve Jobsとも親交があり、ソフトウェア産業における戦略やテクノロジー・マネジメントの第一人者として、最近はplatform businessを中心に研究されている。前半はMichael Porterの5 ForcesからBlue Ocean Strategy迄、academiaにおける戦略論の変遷とそのpros/cons、BCGのGrowth-Share MatrixやMcKinseyの7S Frameworkといったコンサル業界で編み出されたフレームワークについてCaseを交えつつ学ぶ。後半はIBM/Amazon/Airbnb等のCaseを通じてCusumano教授の専門であるinnovation、platform、sharing economyを中心に学んだ。個人のpaperが2回。Sloanの授業には珍しくグループワークは無し。事前リーディングが多く、workloadは軽くない。

Entrepreneurshipの分野で代表的な授業

15.128 Revolutionary Ventures
Media Labの授業。MIT発のスタートアップがどのようにして成功したのか、研究内容をどのようにスピンオフするのかが主題。チーム課題では、授業で学んだフレームワークに沿って新しいスタートアップの事業計画を考える。ほぼ毎週ゲストスピーカーとしてMITスピンオフのスタートアップ創業者やMITのVCであるThe Engineの人が登壇し自身の経験を離してくれる。この授業から生まれたスタートアップも複数産まれている。

15.369 Seminar in Corporate Entrepreneurship
大企業において既存の組織構造に立ち向かいながらどのようにイノベーションを起こすか?というテーマで議論が進む。企業内インキュベータ・イノベーションセンターの設立、Corporate Venture Capitalの役割、R&D資産の有効活用、アクセラレータの果たす枠割等多角的な視点から考察し、毎授業各分野からゲストスピーカーを招いて実際の苦労や工夫を学びます。

15.390 New Enterprises
MITの名物授業のひとつ。ビジネスを起こすまでの過程を一通り体験できる。Sloanの学生だけでなく、MITの他学部生、Harvardの学生等も履修していて、様々なバックグラウンドをもつ学生同士でチームを組み、アイディアをビジネスにするまでの一連の流れを実際に手や足を動かしながら学ぶ。また、卒業生をはじめ多くの起業家がゲストスピーカーとして授業にくる為、リアルな体験談を聞けるのもひとつの魅力。

15.911 Entrepreneurial Strategy
スタートアップがどのような戦略で既存の市場に立ち向かっていくかを議論します。具体的には、Compete<=>Collaborate, Control<=>Executeの2軸4種の戦略の概要と、様々なスタートアップがどのようなポジショニングを取ったのかをケースと授業で学びます。Scott Starn教授の人を惹きつける話し方と学生の意見の膨らませ方が人気。Final Projectでは既存のスタートアップを授業で学んだストラテジーを用いて分析する。

2. 916/10.407 Money for Startups
スタートアップのファンドレイズのいろはを学ぶ。内容は非常にプラクティカルで、前半のレクチャーでは、スタートアップの資金調達先(Grant、Angel、Venture Capital等)の整理や、ベンチャーキャピタルから出資を受ける際のタームシート交渉上のキーポイントについて基本的な考え方・ポイントを学び、後半は与えられる仮想企業を想定して実際の弁護士・ベンチャーキャピタルと出資契約について交渉シミュレーションをする、というもの。また授業後半ではエンジェル投資家・ベンチャーキャピタリストのゲストスピーカーセッションも複数開催されていた。起業することを決めている人、あるいはベンチャーキャピタルに関心がある人は、受講するとファインドレイズの基本的な考え方が理解できて参考になると思う。教授のShari Loessbergもスタートアップ・投資家経験のある実務家であるため、実務も理解した上でレクチャーしていてよかった。

Sustainability/energyで代表的な授業

15.038 Energy Economics and Policy
シェール革命、OPECの合意形成、電力自由化、炭素価格、再生可能エネルギー大量導入の影響等、エネルギーに関わるトピックスについて、経済理論を用いながら分析する授業。理論だけでなく、ロールプレイングやシミュレーションを使って、楽しく、実地的に工夫がされている。サステナビリティやエネルギーに関心の高い学生が集まるため、授業内のゲームでの協働を通じて親しくなれる点もメリットのひとつ。

15.915 Laboratory for Sustainable Business (S-Lab)
Sustainability Certificateのフラッグシップ授業。フレームワーク、ケーススターディ、アクションラーニング(企業との協働プロジェクト)を通じて、サステナビリティとビジネスとの両立について学ぶ。Sloanでのサステナビリティの定義は、一般にイメージされるよりもずっと広く、環境・エネルギーのみならず、農業・水産業や人権、働き方をも扱う。サステナビリティというと、とかく理想を語りがちになるところ、システムダイナミクスの考え方やシミュレーション等を適用しながら、現実と科学に立脚してバランスよく議論される点がSloanらしい。システムダイナミクスの大家・John Stermanを筆頭に、ファカルティの布陣も重厚で、アクションラーニングプロジェクトに対するサポート(MIT内の専門家によるコーチング等)も手厚い

Action Learning (XX lab)で代表的な授業

15.217 Blockchain Lab
もともとMITメディアラボのDigital Currency Initiativeによる有志プロジェクトだったものが、Sloanのアクションラーニング系の授業に発展したもの。外部企業と提携し、ブロックチェーンに関するビジネスプランや実用ケースを立案するコース。指揮を執るGary Gensler氏はGoldman Sacsのパートナー、米国財務次官やヒラリー選対のCFOを歴任し、金融全般、規制の実務経験や政財界への人脈が豊富で、他にも「The Truth Machine」等の著者であるMichael Casey氏をはじめ、第一線の教授陣からセメスターを通じて助言を得られる。

15.248 Israel Lab
11-12月はSloanでイスラエルの歴史や文化、周辺国との政治について学びつつ、各チームが1月に所属するスタートアップの調査を進める。11月末頃に10ページほどのPre-Research Paperを提出し、現地(Tel AvivまたはJerusalem)でadd valueする内容を具体化する。現地ではCustomer researchを通じてスタートアップの課題分析と改善案の提言を行う。go-to market strategyやchurn-rateを下げる施策が多かった。プライベートでは、Israel Trekで行けないパレスチナのツアーに参加したりローカルの施設を巡ったり、3週間で結構楽しめた。

15.389 Global Entrepreneurship Lab
新興国のスタートアップ企業に対して、3ヵ月間のオフサイトコンサルティングと1ヵ月間のオンサイトコンサルティングを行う。仲のいいクラスメートと事前にチームアップしたうえで参加するため、現地での生活はとても思い出に残るものとなる。

15.399 Entrepreneurship Lab
New EnterpriseやEntrepreneurial Strategyの理論をベースに、Mass Challengeで活動しているチーム等ボストンで活動するスタートアップと実際に組んで課題解決を行う。初日に20程度のスタートアップがピッチを行い、学生の人気が高い8チームが選出。スタートアップのリアルな課題を感じたり、今まで学んだ24 Stepsの総復習ができたり、実戦的な学びが多い。授業は毎週火曜日夜に3時間で、月に1回全チーム進捗報告がある。進捗報告のために授業外の活動が多い。

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