LFMの必修科目(LFMコア)の内容は以下の通りです。
15.064J Engineering Probability and Statistics
時期 | 内容 |
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2003 | ![]() ![]() |
前半は高校の確率統計でやった確率の計算から確率分布(二項分布、正規分布、ポワソン過程~指数分布など)、データ処理(最小二乗法)、後半はポアソン過程、マルコフ過程、その後基本的な統計的手法(信頼区間の取り方、種々の検定など)、実験計画法、多変数データ解析まで。この科目と後述するSystem Optimization and AnalysisやOperational Managementとは、内容が密接に関連していて、ここで両科目の基礎を色々勉強することができます。
例えば、ここで習うポアソン過程やマルコフ過程などはOperation Managementで学ぶQueuing理論(銀行のATMやファーストフード店でできるお客さんの行列の長さを見積もるための理論)を理解するためには不可欠だったりします。さらにSystem Optimization and Analysisではモンテカルロシミュレーションを使って、実際に行列の長さを計算させたり。それぞれの科目の位置関係がわかって、なかなか面白いです。【K.M. LFM’05】 |
15.066J System Optimization and Analysis
時期 | 内容 |
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この科目では、Microsoft ExcelのSolverを使って、Linear Programmingを使った最適化の演習をします。例えば工場A, B, C, ….のコストと品種と生産量の上限が決まっていて、最低コストでお客さんの注文に答えるにはどういう生産計画を作ったらよいか?といったような計算をエクセルにやらせるわけです。ここではプログラミングそのものには踏み込まず、示された状況に対して制約条件、変数、対象関数などを設定する練習をする感じです。
それが終ると、今度はもうすこしややこしい条件でエクセルに最適化させるということをします(Integer Programming、Non-linear Programming)。その後モンテカルロシミュレーションのシミュレータを使って、Queuingなど、Operation Managementに出てきたような問題をひたすら解きました。 いろいろなソフトが出てくるので、使い方を覚えるまではちょっと戸惑うけれど、その辺をクリアできれば、(理系の人ならば)新しいおもちゃの使い方を覚えた感じで楽しくなってくるのではないでしょうか。 私は過去に一切こういうことをやったことがなかったので、なかなか新鮮でした。【K.M. LFM’05】 |
15.316 Universe Within and Introduction to team
15.317 Leadership and Organizational Change
時期 | 内容 |
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Leadership は上記3科目に比べるとずっと文系的、ビジネススクールではSoft Issuesといわれるカテゴリーに属す科目です。LFMはプログラム名からもわかるように、「Leaders」と「Manufacturing」が教育上の特色となっているので、Leadership関連の教育には非常に力を入れています。
この科目は一年目の夏学期に集中的にクラスミーティングがあり、その後は節目節目で課題をこなしながら、一年目の終わりに終了するという変則科目。毎回アメリカの様々なリーダーをピックアップして、それぞれどういった要因が彼/彼女をリーダーたらしめているのか、と言うことをディスカッションする形で進められます。 ディスカッションマテリアルは事前配布のケース、あるいはその場で見るビデオが主なんですが、英語が得意でない私には、ビデオを見てその後議論するというクラスのときは結構大変でした。【K.M. LFM ’05】 |
15.761 Operations Management
時期 | 内容 |
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この科目はケースディスカッションです。ケースに基づいて、様々なオペレーションの状況でどのような手を打つべきかという議論をします。その後、教授が簡単な理論(Queuingとか)を適用しながら状況を解析し、あー、こうすればよかったのね、となって一件落着、というクラスです。
クラスで取り扱ったのは、お客さんの行列の管理(Queuing理論)、在庫管理(News vender problem、Reorder system等)、バッチ生産システムと連続生産システムの取り扱いの違い等、生産管理(トヨタ生産システム、SAP)などの話題です。これらを一通り見た後で、複数のissueが組み合わさったケースに進みます。 ケースディスカッションのクラスの難しいのは、ディスカッションが盛り上がると、理論的な内容を授業で取り扱う時間が少なくなってしまうことですね。ディスカッションを楽しむためにも理論的な背景は、教科書をみて自分で予習復習しとく必要があります。【K.M. LFM’05】 |
15.766 Process Management and Quality
時期 | 内容 |
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元筑波大学教授の司馬先生が、日本流の品質管理手法をアメリカ人に教えるというコンセプトの科目なんですが、実際には細々したTQCの手法等は余り扱いません。製品の細かな品質管理の話よりもビジネス/マネジメントそのものの品質をどう向上させるかという話に力点が置かれていました。長年の日米におけるTQC指導で培った先生の人脈は幅広く、学期の後半には「リアルケーススタディ」と称して、多くのゲストスピーカーの招待講演がありました。
講演者は、米国トヨタのマネージャ(トヨタ生産システム)、半導体会社の会長(破壊的技術)、日系ゼネコンの会長(リーダーシップ)、ボーイング社の工場長(Lean Production System at Boeing)など。 色々な立場の人にマネジメントの話を伺って議論する良い機会であり、なかなか面白かったです。【K.M. LFM’05】 |