15.401 Finance Theory I
時期 | 内容 |
---|---|
2010秋 (Full) |
![]() ![]() |
文字通り、ファイナンスの基礎を学ぶ授業です。コア選択科目の一つとなっていて、2010年度入学生はFinanceとMarketingのいずれかを選択することが義務付けられていました。授業でカバーされる範囲は、現在価値計算、債券、株式、デリバティブ(先物・オプション)、ポートフォリオ理論、CAPM等です。
レクチャー形式であるものの、随時、多くの生徒から質問が投げかけられ、フランス中央銀行出身のProfessor Verdelhanがユーモアを交えながら質問に対して答えていくことで、インタラクティブに授業が進みます。 私自身は投資銀行出身ということもあり、授業を受ける前はさほど期待していなかった授業でしたが、振り返ってみると、予想を大きく上回り、理論を一から復習できる良い授業であったと思います。また、ファイナンスに初めて触れる同級生の評判も良好でした。教授のユーモラスなスタイルによって、初学者には難解になりがちなファイナンスの講義が親しみやすいものになっていると感じました。 原則として予習は必要ないため、ワークロードは重くないと思います。1~2週間に1度の割合で個人別の宿題が出され、学期中に1回、チームで提出する宿題が課されました。 【M.H. MBA’12】 |
15.402 Finance Theory II (Corporate Finance)
時期 | 内容 |
---|---|
2009春 | ![]() ![]() |
Corporate Finance分野ではSloanの学生間で超人気のProf. Asquithの授業です。Corporate Financeを初めて学ぶ方にとっては、コンテンツの充実度といい、テンポが良くメリハリの利いた授業の進め方といい、極めて完成度の高いプログラムだと思います。多くの学生が彼の授業に感動しており、「SloanにおけるBest授業だ」と言っていました。具体的な授業内容としては、毎週1ケースのペースで、まずはチームで与えられた課題について回答をライトアップして提出し、それを教授が授業で解説し、さらにそれに関連するCorporate Financeの重要トピックを説明するという進め方です。なお、春学期ではこの科目とIntro OperationとSystem Dynamicsの3つが労度の高い科目として有名ですので、このすべてを同一学期に取らないように気をつけましょう。【W.K. MBA’10】 |
15.403 Introduction to the Practice of Finance
時期 | 内容 |
---|---|
2010秋 (Full) |
![]() ![]() |
Finance Trackを選んだ1年生が必須の授業。週1度、金融業界に現在勤務するビジネスマンをスピーカーに迎えて約2時間半実務の話を聞く。投資銀行、コーポレートファイナンス、セールス&トレーディング、アセットマネジメント等幅広く金融業界での実務経験を聞くことができる。出席が成績の80%を占めるため、ワークロードは非常に軽い。学期のどこかでパネルディスカッションのモデレーターをするか、学期最後の授業で、特定の地域の金融業界のマッピングもしくは特定の金融業務についてプレゼンをするかでAが取れるかどうかが決まる。金融業界全般の実務的な話を聞きたい人には最適な授業である。【N.E. MBA’12】 |
15.423 Advanced Corporate Risk Management
時期 | 内容 |
---|---|
2010春 (Full) |
![]() ![]() |
リスクの測定の仕方、及びそのValuationの方法に焦点を置いたクラスです。授業では主に銅、金利の変動に絞って学びます。5つの課題では実際にエクセルを使って、二項ツリー(Binominal)、モンテカルロシミュレーション(乱数使用)のスプレッドシートを作成します。
課題1 ランダムウォーク仮定での銅価格のValuation・変動分析(二項ツリー、モンテカルロシミュレーション) 今年は週1回、火曜日4-7時の3時間のクラスでしたが、前半の1-2時間は、上記理論を学びます。後半1-2時間は、様々な企業のリスク管理のケースを取り扱います。課題1及び課題2に相当時間を要します。数式に不慣れな学生等が、この課題提出前に大半がドロップします。ただ、慣れてくると、課題3以降は比較的楽になります。講師はEnergy and Environmental Policy Researchの教授。ファイナンスの教授ではないので、ケースディスカッションの仕切りに難あり。【K.O. MBA’10】 |
15.433 Investments
時期 | 内容 |
---|---|
2008春 | ![]() ![]() |
Investmentのクラスは全て指定の教科書をベースにした講義形式でケースは無く、成績も50%中間試験・50%期末試験の結果で決められる。毎週教科書の練習問題が課題として出されるが、回収されないし成績にも反映されない。ただし試験の準備としては有効で、自主的に取り組むことが推奨されていた。授業の内容は、ポートフォリオ理論、リスクとリターン、債券投資、オプションなど。中間・期末の試験では教科書的な内容の問題以外に、教授が興味のある事例や話題など授業で触れた教科書の内容を逸脱した専門的な問題も出され、試験の難易度はとても高かった。ただし、これは担当する教授によって方針が違うと思う。【S.M. MBA09】 | |
2008春(Full) | ![]() ![]() |
2008春学期はKelloggより移ってきた新任のSeder Dincが担当しました。前半は金利リスク、信用リスク、通貨リスク等のリスクマネジメント、後半はリストラクチャリングに焦点をあて、事業売却、バイアウト等についてカバーしました。授業はほぼ毎回ケースで実際に手を動かして計算する必要があるものばかりで、内容はかなりハードコアでした。また、20人程度のこじんまりとしたクラスで、授業中は教授の容赦無いコールドコールが飛び交い、緊張感に溢れています。と、書くと、否定的な印象をもたれてしまうかもしれませんが、予想に反して授業はお勧めです。スローンでのファイナンス系科目の復習になりますし、また、気分が緩みがちな2年生の春学期に履修すると、最後まで集中力が持続する、というおまけもついてきます。【G.M. MBA ’08】 |
15.434 Advanced Corporate Finance
時期 | 内容 |
---|---|
2010秋 (Full) |
![]() ![]() |
前年までシカゴで教壇に立っていた人気教授ロックによるコーポレートフィナンスの授業です。ファイナンス2の授業ではコーポレートファイナンスの基礎を学びますが、当授業ではより複雑なケースを扱います。主なトピックはIPOプロセス、リアルオプションとプロジェクトファイナンス、レバレッジドファイナンス、証券化、M&A等です。いずれも企業の財務分析、キャッシュフロー分析をしっかりした上で、さらにそれぞれのケースに応じた異なる手法を用います。
授業はほぼ全てケースが用いられます。各自事前に読んできているケースを題材に教授が生徒との会話を交えながら解説を進めます。教授自身が執筆されたケースを扱うことも多く、当時の各案件当事者に非常に近い視点での考察を聞くことができます。教授は非常にユーモアがあって、難解なケースを扱う際ですらクラスからは常に笑い声が絶えず、生徒からの人気も絶大です。また、比較的新しいケースが取り扱われており、実践的です。 毎回のリーディングアサイメントに加え、合計4回のチームアサイメントの提出が求められます。チームアサイメントはエクセルや計算機を用いてフィナンシャルモデルを構築する数量的な問題に加え、得られた数値から案件を分析して論述する定性的な問題がほぼ半々の割合で出題されます。この他にチームアサイメントと同様のフォーマットで中間と期末に試験があります。【H.K. MBA’11】 |
15.437 Options and Futures Markets
時期 | 内容 |
---|---|
2010春 | ![]() ![]() |
今回は、二項モデルの開発などで著名なJohn Cox教授が担当。教授の温厚な人柄と体系的な講義によって、デリバティブの世界への理解を無理なく深めることができる。ファイナンスの世界に身を置く方にはオススメのクラスである。
前半は、金利の期間構造に始まり、先渡契約を使った利付き債券の複製や金利スワップの価格付けなど、基本的なことを順を追って学習し、フォワード・スワップ、アモチ・スワップ、リバースフローター等、金利系デリバティブの価格付手法を習得する。後半は、オプション価格の変動要因と挙動を理解した上で、プット・コール・パリティー、二項モデル、ブラックショールズモデルをツールとして、例えばパーティシペーション・フォワード、バリアー・オプションなど多様な原資産のエキゾチックオプションの価格計算方法や、先渡契約や先物契約を使ったダイナミックなヘッジ戦略の構築方法を学ぶ。 Cox教授はこの講座の担当歴が長いだけあって、彼の教授法は良く練られている。ケーススタディーなども織り交ぜながら講義が進められるため、現実世界での取引ニーズや背景がわかり理解が深まるし、授業で提供される練習問題は、学んだ価格理論の本質を理解し自在に扱えるようになるために設計された良問揃いである。数学的にも、一部の例外を除いて離散型の期間構造しか扱わず、取り組み易いレベルにとどめられている。講義を通じて、ペイオフを複製する際のパズル的な楽しみを味わいながら授業の復習と練習問題に取り組めば、デリバティブに対するある種の抵抗感は自然と解消するだろう。 成績評価のウェートは、中間試験:50%、期末試験:50%と至ってシンプルである。【Y.K. MBA’11】 |
15.545 Mergers & Acquisitions
時期 | 内容 |
---|---|
2008春 (H1) |
![]() ![]() |
授業は講義とケースディスカッションが半々で、講義では企業価値の算定や法務・各種規制、さらには友好的買収と敵対的買収のポイント等をカバーし、それらをベースに、ケースに取り組みました。ケースディスカッションでは、米国における鉄道会社や食品会社の買収を取り上げ、企業価値やシナジー効果の算出、さらには買収企業のアドバイザーとして買収戦略の立案を行うなど、かなり実践的な内容となりました。Dinch教授はケースディスカッションがうまく、個人的には満足できる授業でした。事業会社や投資銀行でM&Aに携わる予定の人はもちろん、そうでない人にとってもFinance系授業の総仕上げとして受講する価値がある授業だと思います。
ワークロードはそれほど重くないと思います。チームでCase Write-upが3回、そしてFinal Examがあります。Final Examは試験前々日にケースが渡され、当日問題が出され、その場でケースに出てくる企業の投資アドバイザーとしてProposalを書く、というものでした。形式はちょっとトリッキーですが、事前準備がしっかりできますので、それほど恐れることはないと思います。【K.Y. MBA ’08】 |
15.963 Special Seminar in Management: Valuation
時期 | 内容 |
---|---|
2010春 | ![]() ![]() |
『Principle of Corporate Finance』の著者で、コーポレートファイナンスの第一人者であるマイヤー教授が教鞭をとります。 ケースのValuationではなく、実際のプロジェクトのValuationを行うもので、チームは5人一組で、プロジェクト毎に数チームがクラスでプレゼンを行います。
今年扱ったのは下記5プロジェクトです。 プロジェクトのValuationにあたり必要となる以下の理論については、事前に講義で説明されます。 1. Discounting at the after-tax WACC vs. the adjusted present value (APV) method. プロジェクト主体のクラスのため、学び度合いは誰とチームを組むかにも影響されます。【K.O. MBA ’10】 |
15.977 Special Seminar in Management: Investment Management
時期 | 内容 |
---|---|
2008春 (H2) |
![]() ![]() |
Schames教授はSloanの卒業生で、MFS Investment Managementの元CEOでもあるため、そのネットワークを活用し、業界の最前線にいるPortfolio ManagerやEquity Analystをゲストスピーカーとして招待し、そのレクチャーを通じてInvestment Managementの最新情報や株式分析の考え方等を学ぶことができます。2008年は、投資銀行の株式分析、石油企業の株式分析、Corporate Bond Fund、Emerging Market Fund、International Fund等について学習しました。毎週1回3時間の授業でゲストスピーカーのレクチャーと質疑応答が行われ、提出物は指定企業の株式分析に関する4-6ページ程度のレポート1回のみなのでワークロードは軽いです。【T.I. MBA ’08】 |
15.991 Corporate Finance In Emerging Markets
時期 | 内容 |
---|---|
2008春 (H1) |
![]() ![]() |
Emerging MarketにフォーカスしたCorporate Financeのクラスで、内容的にはOwnership Structure、Corporate Governance、Financing Decision、Valuationなどを扱います。 週一回3時間の授業なので、授業の回数としては6回です。1回目と2回目の授業でCorporate Governanceを、3~5回目はケースディスカッション(ベネズエラの石油会社のFinancing Decision/M&A、南アフリカのテレコム会社のFinancing Decision、中国の銀行のIPO)でした。最後の授業は各チームがプレゼンテーションを行いました。 Advanced Corporate Financeなどを履修した後に、特にEmerging Marketを掘り下げたい、という人にはいい授業だと思います。ただ、もともと教授の専門がCorporate Governanceや各国のFinancial System(株式市場構造等)分析等であるため、それらに全体の1/3を割かれてしまい、Valuation、M&Aなどに興味があった僕としては前半は正直ちょっと退屈でした。 |