15.365 Disruptive Technologies: Predator or Prey?
時期 | 内容 |
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2011春 (Full) |
![]() ![]() Clayton Christensen, The Innovator’s Dilemma, HBSP |
破壊的なイノベーションとは何か、それはどのようなダイナミズムを経て進むのかを系統的かつ普遍的に理解することをテーマにした、SloanとSystem Design and Management (SDM) Programのジョイント講義です。教授のJim UtterbackはMITのMOTプログラム(現在のSloan Fellowsプログラム)の創設者の一人であり、「イノベーションのジレンマ」の著者として知られるHBSのClayton Cristensenとも一緒にイノベーション研究をしていたベテラン教授です。数年前までCristensenも本講義の中で授業を教えることがありましたが、現在はお休み中です。
「イノベーション」という言葉は、今や多くの人が気軽に使う言葉になりましたが、それが意味するものは単なる技術的な性能の飛躍や革新的な製品の普及ではなく、それらを含む、複雑かつダイナミックなプロセスです。 この講義では、100年以上前のイノベーションの例(白熱電球、製氷技術)からごく最近のイノベーションの例(デジカメ、スマートフォン)に至るまで、多岐にわたる製品や技術のケースを題材にしつつ、以下の視点にフォーカスして議論を行います。 学生は、講義のほかに、学期を通じて3-4人程度のチームでレポートをまとめ、最後にプレゼンテーションをします。レポートでは、任意の産業とそれに関連する革新的な製品・技術をテーマに設定し、上記の視点を中心に分析と予測を行うことで、当該製品・技術が果してPredatorなのか、あるいはPreyなのかを論じることが求められます。 個人的には、この講義は、イノベーションがどのように発生し、その中からどういう戦略をとった者がその後の普及プロセスへと勝ち残っていくのか、市場構造や社会要因がイノベーションを担う主体やダイナミズムにどの程度インパクトを与えるか等について、じっくりと考えさせられる素晴らしい講義であったと思います。 また、工学系の大学院生や現役社会人も多数受講しているため、Sloan以外の人とチームを組むことができるのも魅力の一つです。私はMITの材料工学系のPh. Dや米国航空機企業のエンジニアリングマネージャーらとチームを組んで先端軽量材料に関する40ページのレポートをまとめましたが、チームメンバーが持ち寄る専門知識やアイディアの多様さに学ぶ一方で、それらをまとめて一つの結論を導くソフトスキルや、自らの役割を見極めて異種混合チームでの自分の貢献価値を最大化するスキルを磨く格好の機会ともなりました。 【Y.S. MBA’12】 |
15.376 Media Lab Enterprises(MAS664)
時期 | 内容 |
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2010春 | ![]() ![]() |
Media Labの授業で、同Labの看板教授のProf. Pentland、100K主催者の1人Joost、Media LabのDirectorのFrankが担当します。授業の進め方としてはMedia Lab発の技術で起業したアントレプレナーや同Labの研究室から研究者が出てきて、起業の経緯や各研究分野に関するプレゼンを行います。トピックとしてはロボット・都市開発・ニューロ・センサー・メディカルケア・インターフェース技術などでした。
課題は3~4人のチームでFinal Paperのみで評価はFinal Paperのみで決まります。最終週のプレゼンまでに、Media Labや講演に来たアントレプレナー等に適宜アドバイスを仰ぎ、2週間毎にPaperをブラッシュアップしていきます。各チーム毎にトピックの具体性によってbusiness plan、strategic analysis(提携先などの発掘)、roadmap(業界動向分析)のどれかからアプローチ方法を選び、より具体的なアイデアを選んだチームは100Kに参加するという流れです。私の場合は若年層向けのSNSというトピックでFellows学生とメディア専門のexchange studentとチームを組みました。 全体としてはMedia Labの技術に興味があって有名な教授・研究者とネットワーキングしたいという人には最適ですが、学生によっては学期後半興味を無くしている人もいました。私個人としては特にアントレプレナーからプレゼン方法・ビジネスの見せ方・起業の哲学という点で学びが大きかったです。【S.C. MBA ’10】 |
15.387 Tech Sales & Sales Management
時期 | 内容 |
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2009秋 | ![]() ![]() |
Sales Process及びSales Managementの理論を学ぶコースです。毎回、実際のSales に関する短いケースが与えられ(Grid ComputingのサービスをFortune 500企業に販売するための戦略立案、Sales Quata、Incentive設定等)、授業の冒頭でCold Callで選ばれた生徒がRole Playを行い、それに対するフィードバックを行う形で授業は進んでいきます。コース前半はSales Processについて学びます。クライアントのBuying Process、効率的なApproach方法、Closingの方法等についてRole Playを基に学んでいきます。また、製品とソリューションのSales Processの違い、Top ManagementをいかにSales Processに絡ませていくか等についても解説があります。コース後半では、よりマネジメントに関連するトピックを取り扱います。Incentive System、Territory Management、Training Program、Budgeting、Sales Forecast等、営業部隊を率いる上で不可欠な知識を学びます。実際のビジネスで営業経験がある方でも、日米でのSales Processの違いなど、学べる内容は多いと思います。また、コンサルティングやIBの分野でも十分に使える知識が身につくと思います。
毎授業でのAssignmentについては、二人一組でチームで対応します。また、チームで選択したケースに基づいて、実際にSales Pitchを行っている状況をVideoで録画するAssignment、実際にSales Person、Sales ManagerにInterviewを行うAssignmentがあります。Gradingは、Participation、Video、Case Write-up、Sales Person Interviewで各25%ずつです。 Aulet教授はIBMのSalesチームを率いていた経験があり、教授のSolution Salesの話は大変興味深いです。Anderson教授は言わずと知れたSloanのアントレチームの大御所です。二人ともCold Callが大好きなのがたまに傷ですが・・・。【H.M、MBA 10】 |
15.389 Global Entrepreneurship Lab (G-lab)
時期 | 内容 |
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2007秋(Full) 2008 IAP |
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MIT Sloanの看板授業のひとつで、1月のIAP期間中に主に発展途上国にてstart-upの企業のコンサルティングを行い、Entrepreneurshipにつき学ぶという授業です。Entrepreneurの直面する問題に精通、理解すること、Global start-upでのインターンを経験する機会を提供すること、世界的なネットワークをMITを通じて獲得すること、start-upの企業に対し、質の高いアドバイス、ストラテジーを提供することをコースを最終ゴールに掲げています。授業自体は各途上国でのEntrepreneurの直面する問題(マクロレベル、ミクロレベル共)につき議論し、Best Practiceを学んでいきます。MBA生4人1組となって企業のコンサルティングをしますので、MBAで学んだ知識、過去の経験を活かす絶好の機会となると思います。また、同級生と1ヶ月近く寝食を共に過ごしますので、コミュニケーション、異文化についても多く学ぶことの出来る貴重な機会となると思います。グレードはClass Participationが25%、Individual Assignmentが20%、Team Assignmentが55%となっています。【K.H. MBA ’08】 |
15.390 New Enterprises
時期 | 内容 |
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2011春(Full) | ![]() ![]() |
スタートアップ企業をいちから創り上げるための選択授業です。Sloanの学生だけでなくMIT工学部などの他学部やHarvardの学生も履修しており、研究者とビジネススクールの学生の混成チームを作ることが奨励されています。そのため授業もSloanビルディングではなくMITドーム近くの教室で行われていました。毎年、多くの学生が100Kなどのビジネスプランコンテストでの入賞やその先の起業を目指し、自分のアイディアをぶつけ合うMIT Sloanならではの授業だといえます。
授業ではスタートアップに必要な全てのパーツを一通り学びます。BillとHowardというMITが誇るベンチャースピリットの塊のような最強コンビが軽妙なしゃべり口で、ビジネスプランの各パートについてピラミッドを一段一段登るようにゴールである起業まで導いてくれます。内容はアイディアのひねり出しと選び出し、パートナー探し、マーケティング戦略、セールス方針、収支計画、VCとの交渉、ビジネスプランのピッチの仕方まで網羅しています。各テーマに沿ってミニケースを題材にディスカッションと講義を通じて起業までの一連の流れを学びます。 また、多くの起業家がゲストスピーカーとして参加しリアルな体験談を聞くことが出来ます。MIT発の伸び盛りのエネルギー関連企業から、過去にNew Enterprisesを履修しSloan在学中に起業したスタートアップまで直に質問をぶつけられる機会に恵まれています。ビジネスプランを起草する上で壁にぶち当たってもBillやHowardの他、MIT Entrepreneurship Center(通称E-Center)もドアを叩けばプロとしてサポートの手を差し伸べてくれます。 毎週ビジネスプランの各パートを宿題として提出するため、授業外でのチームでのワークロードはかなりあります。宿題は詳細なフィードバック付で返され、最終的には各チームはより昇華したビジネスプランを提出することが求められています。期末試験として、与えられたスタートアップのケースに対して1時間半でビジネスプランをプレゼンテーションとして書き上げる個人試験があります。【Y.H. MBA’12】 |
15.398 Corporations at the Crossroads: The CEO Perspective
時期 | 内容 |
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2008春(Full) | ![]() ![]() |
様々な企業のCEOを毎回ゲストスピーカーとして招待し、ディスカッションを通じて企業戦略やCEOの役割を学ぶ授業で、スローンにおける人気授業の一つです。2008年は、GEのJeffrey Immelt、Best BuyのBrad Anderson、MotorolaのEd Zander、Southwest AirlinesのGary Kelly、BiogenのJim Mullen等、業界を代表する企業のCEOがクラスに登場しました。講義は主に質疑応答によるインタラクティブ形式で行われ、各CEOも生徒からのどんな質問にもフランクに回答をしてくれます。また、受講している生徒は、ゲストスピーカーの1人と少人数でディナーをする機会が与えられます。私は、Southwest AirlinesのGary Kellyとディナーで会話をすることができ、大変貴重な経験となりました。提出物は、13人のゲストスピーカーの中から選択した3人のCEO及びその企業に関する3-4ページのレポートを提出するだけですので、ワークロードは軽いです。【T.I. MBA ’08】 |
15.399 E-Lab
時期 | 内容 |
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2011春(Full) | ![]() ![]() |
SloanでいくつかあるLab型のクラスのうちの一つで、MIT の精神、Mens et Manusを体現する授業です。クラスの構成は大きく二段立てになっており、地元スタートアップ企業のプロジェクトに従事しながら、そのプロジェクトを進めるために必要なフレームワークやケーススタディを授業でカバーしていくという内容です。クラス構成はSloan学生の他、他学部、ハーバードなど他校からも多くの学生が参加しており、とても刺激的です。
授業は毎週1回3時間のクラスで、ケースが半分、もう半分はフレームワークやメソッドを学びます。とはいえあくまで授業は授業、クラス外での実際のプロジェクト遂行が主な活動になります。クライアント企業との定期ミーティング、アンケート・インタビューによる市場調査、教授への中間報告、アントレプレナーシップセンターのレジデント(起業家)への相談、そして中身の濃いチームミーティングを繰り返しながら、学期最後の最終報告を目指してプロジェクトを進めます。授業内でもクラスメイトに向けて定期報告を行い、フィードバックを得ます。いかにスタートアップ企業が既存の大企業を相手に戦うか、授業での学びをそのまま現場で試せるという、とても実践的なクラスです。 第1回目の授業でプロジェクトを選び、4名のチームを組成するのですが、私のチームは、MITマテリアルサイエンスのPhD、HBS、HLSというダイバースなチームを組むことができました。プロジェクトはインターネットプロバイダーのスタートアップ企業の顧客獲得・マーケティング戦略立案で、ボストン市内の企業へのアポなしインタビュー、電話インタビューなど、なかなか普段体験することのない活動を通じて、生の情報を集めていきます。それらの情報を使いながら、クライアント企業と定期的にディスカッションをします。実際の起業家と週一で会って話ができるのは大変貴重であり、相手も真剣なので中身のある議論ができます。クライアントも含めて一つのチームのようで、最終報告の後には一緒にディナーに行き、これからの会社の夢について、更に話に花を咲かせました。座学だけでなく、実践的な学びの機会を求めている方には、ぜひお勧めの授業です。 【T.K. MBA’12】 |