# | 業界 | 学部 | 入学時年齢 |
1 | 金融 | 経済学部 | 31 |
2 | 金融 | 経済学部 | 31 |
3 | 金融 | 法学部 | 33 |
4 | 商社 | 文学部 | 30 |
5 | 商社 | 経済学部 | 32 |
6 | 通信・IT | 工学(大学院) | 29 |
体験記 (1)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 31歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 経済学部 |
職歴 | 8.5年 |
はじめに
アクセスいただき有難うございます。
私は留学前メガバンクで海外プロジェクトファイナンス業務に従事しており、社費留学でMBA留学の機会を得ました。海外経験としては、1年ほど米国での勤務経験があるほか、出張や国外関係者との折衝など業務を通じ英語や異文化に触れる機会がありました。他方、幼少時や学生時代の海外経験は旅行程度であり、語学については業務や受験を通して日々学習しています。
私自身、受験を通じ、友人や同僚のみならず新たに出会った方まで、多くの方のサポートに助けられました。結果的には、キャリアの方向性をロングランで展望し、そのためのステップとして納得のいく進学先を選ぶことができました。しかし、受験を振り返ってみると、1つ1つの場面ではタイミングや縁といった人間関係における偶然の連続に導かれた面もとても大きかったと思います。こうした要素に予断を持つことは本来できませんが、少なくとも先に受験生活を送った者の実体験として役立てて頂けると嬉しく思います。
Why MBA?
様々な国・地域のプロジェクトファイナンス案件に携わる中で、足元のビジネススキルの不足を痛感するとともに、既存のファイナンス側の立場から事業の実現に向けて果たすことのできる役割に限界を感じ、ビジネス・マネジメント・リーダーシップを体系的に学び、それらの土台をきちんと身に着けたいとの問題意識を持ちました。
プロジェクトファイナンスはとてもエキサイティングだったので、海外に駐在しディールに携っていたいとの希望をずっと持っていましたが、NYから帰国して数年を過ごすうちに上記の気持ちが徐々に強まり、MBAを具体的に考えるようになりました。
Why Sloan?
Why MBAを追求するための環境という観点で学校比較を行いました。Sloanについては、下記の点にFitを感じました。
- 領域:組織マネジメント、事業開発、リーダーシップに関連する授業やプログラム
- アクションラーニング:グループワークやプロジェクト等の様々な実践の機会
- 校風:コラボラティブな学生・地域コミュニティ
また、合格後は実際の学生生活をできる限り具体的・現実的にイメージし、他の学校との比較を行い、ボストンのロケーションも加味してMIT Sloanに絞り込みました。
MBAといってもどの学校もそれぞれユニークですし、”実践”や”コラボラティブ”といったワードもそれらが意味するところは学校毎に異なると思います。学校選びに際しては、先入観をできるだけ排除し、自身が求める環境や機会がどの程度存在し、それらにどのようにアプローチできるのかを虚心に検証することが肝要と思います。
受験スケジュール
受験期間中、英国・中東・アフリカへ1週間程度の出張が何度か入りましたが、それらを除けば東京で受験活動に取組みました。また、私は他社への出向期間中の受験となりました。
2016年4月: 勤務先のメガバンクから政府機関へ出向。
2016年夏: TOEFL対策を開始。あまり身が入らず、90点台を脱却できない状況が継続。
2017年2月: 社内選考に合格。予備校やWeb講座等、本格的に時間・資金のリソースを投入し、スコアメイクに注力。
2017年5月: TOEFL108(R:27, L:29, S:23, W:29)で出願スコア取得。GMATに移行。
2017年夏: カウンセラーとの初期作業や学校別セミナー等での情報収集を少しずつ進めるも、結局ほぼGMATの学習に集中。
2017年10月: 月初にGMAT初回受験し、スコア690。軌道修正し月末に2回目を受験し、出願スコアの740取得。
2017年11月: イギリスへスクールビジット
2017年末: エッセイ、推薦状、アプリケーション作業。毎日のように出願期限までの残り日数を逆算しては線表を見直し、一喜一憂する不安定な時期を過ごす。
2018年1月: 無事、予定通りセカンドラウンドで7校出願。
2018年1月: アメリカへスクールビジット。
2018年2月: 面接(合計6校)
2018年4月: MIT Sloanを含む4校から合格受領、同時期に出向期間満了。
良かった点: 当初から2ndラウンドの出願になると想定し、GMATに半年程度の期間を見込んでじっくり勉強した事。やや慎重に進めすぎましたが、結果的に2回目の受験で出願スコアが出ました。
反省点: スコアメイクの初期の期間に学校調査やエッセイの下準備等の作業にもう少し時間を割きペースメイクすべきだった事。GMATが佳境に入ると本試験への仕上げやモメンタム維持のために他の作業に時間を割く余裕がなくなりました。結果として、GMAT後の11月以降はエッセイ作成、アプリケーション準備、ビジット、インタビュー対策と常に期限に追われ冷や冷やする展開になってしまいました。
TOEFL
Web TOEFLのブログで受験戦略、学習計画、Tips等の情報収集を行いました。また、Andy先生の講座に参加してからは、そのストラテジーに従い過去問に集中的に取り組みました。
Reading: ある程度の単語力と読解力を付けた後は、とにかく過去問を使って実際の問題に触れ判断力をつけることが効果的だと思います。このセクションは「つねに高得点が出せる」状態になることが一つのベンチマークと思います。私は最初の時期、たまたま良い点が出たところで他のセクションに注力したため、トータルスコアが不安定な時期が続きました。
Listening: 「リスニング力をつけること」と「TOEFLのListeningで正答率を上げること」はそれぞれ異なる作業だと意識しました。前者についてはPodcast(The Moment of Science, CNN10, All Ears English等)を活用しました。後者はWeb TOEFLが役に立ちました。加えて、過去問に毎日取り組みました。
Speaking: E4TGに2か月通いました。確実に23点を狙うのであれば良いプログラムと思います。4月~夏にかけては満席になるようなので、早目に申し込んだ方が良いと思います。
Writing: 添削を繰り返すことが大切だと思います。Integrated Writingは韓国本が課題・回答ともシンプルで良いトレーニングになりました。本番よりもやや平易なレベルだと思います。Independent WritingはY.E.S.のライティング講座に通いました。また、並行していくつか添削サービスを利用しました。
GMAT
Verbal:
-SC: 「文法・解法テクニック」と「文章全体の論理構成」の両面から選択肢を吟味することが肝要だと思います。前者は日本で受験される方であれば各予備校で充実した教材が得られると思います。後者については、「総合判断」と言われる点かと思いますが、これについては演習やPrepで勘所を養うものだと思います。個人的には、Official Guideの解説を熟読することが役に立ったと思います。(Y.E.S.、濱口塾、Official Guideを活用。)
-CR: 読解だと思って取り組むと足元を掬われると思います。文章全体の論理展開を捉え、設問を踏まえて情報を取捨選択する技術やステップを習得することがポイントだと思います。得手不得手に個人差のあるセクションとの印象があります。私もそうでしたが、人によっては仕上がるまでに時間がかかるので、SCよりも先に学習を開始した方が良いと思います。(濱口塾、アフィアンス Web講座、Official Guideを活用。)
-RC: 読解とはいえ疎かにしてはいけないセクションだと思います。多くの問題に触れることで設問のパターンや着眼点に慣れてくると思うので、ペースを保って演習を継続するべきだと思います。単語力も付随して付いてきます。また、CRが改善するにつれRCの読解スピードも上がり、相乗効果を感じました。(濱口塾、Official Guideを活用。)
Math: マスアカ、濱口塾、Manhattan GMAT Prepを活用しました。本試験にレベルが最も近いのは濱口塾の教材だと思います。Manhattan GMATは難易度が高すぎる印象でしたが、Data Sufficiencyへの耐性が増し、設問の読み間違いを減らせることができました。問題自体が複雑なことも多いので、英語の読解能力が向上すると思います。
Prep: 本試験受験の1か月半ほど前から取り組みました。オフィシャルPrepとManhattan Prepを活用しました。”
Essay
信頼のおけるカウンセラーと生産的な作業を行えるかがキーポイントだと思います。エッセイカウンセラーは出願後の面接等のプロセスにおける戦略アドバイザーともなります。胸襟を開いて向き合えるカウンセラーを起用することを推奨します。ワークスタイルやスコープも気にすべき点ではありますが、信頼関係の方がより大切だと思います。クライアントはこちらであるわけですが、最終的に納得の行くEssayに到達するためであれば、相手のスタイルにある程度合わせる事がそんなに負担だとは私は思いません。
エッセイに向けた初期作業を開始したのは夏頃ですが、スコアメイクにかまけたこともあり、ドラフトに着手したのは12月中旬でした。時期としては遅い方だと思います。在校生や友人からのセカンドオピニオンは依頼しませんでした。そもそも時間的余裕が無かったのですが、カウンセラーとの間で良い認識共有ができていたので、あまり心配にならなかった事も理由です。但し、作業工程が全体的に遅かったため、卒業生・在校生と面会する際にエッセイのドラフトもない状態だったので、会話に苦慮する場面は多々ありました。
Interview
2ndラウンドの出願後に慌てて準備に入りました。出願後にビジットと一部オンキャンパスインタビューを予定していたため、出発前の数日間でインタビューカウンセラーと初期的なレッスンを行い、主要なQ&Aを急ごしらえで作る羽目になりました。最初の面接に臨むまでに少なくとも3週間程度の準備期間は必要だと思います。また、志望度の高い学校については、ベースができてから1か月程度かけて繰り返し練習を行いました。2月中はほぼ毎日数時間を費やし、個人練習、カウンセラーや英会話講師とのレッスン、友人との練習等に取組みました。
その他
MBA受験は長期間にわたりストレスに晒されるプロセスです。常にto doに追われ、積みあがる作業と出費で精神的にも少しずつ疲弊していくと思います。このような状況で仕事も受験もこなして「うまく立ち回る」ことは簡単ではなく、私も職場には迷惑をかけっぱなしでしたが、受験に最善を尽くすことがせめてもの罪滅ぼしになると考え最後まで走り続けました。今後何か報いがあればもちろん甘受する覚悟ですが、無事に受験を終えられたことで少しは恩を返せたかなと感じています。
最後に
ここまで読んで頂きありがとうございました。最終的にMIT Sloanに出願される方もそうでない方も、同じ受験経験者として、皆様の受験を心より応援しています!
体験記 (2)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 31歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 経済学部 |
職歴 | 7.5年 |
はじめに
Sloanに関心を持っていただきありがとうございます。MBA受験は大変な道のりで、受験している最中はテスト対策やエッセー、インタビューと、次から次に険しい壁にぶち当たりますが、受験を終えた今はSelf-Managementを学ぶ良い機会だったと思っております。これからSloanを目指される皆様にとって、少しでもこの受験体験記が役に立ちましたら幸いです。
Why MBA?
私の場合、「Why MBA?」よりも先に、「Why Sloan」が先でした。以前米国に旅行した際に、当時の上司(後の推薦者)の勧めで米国MBAスクールをいくつか訪問したのですが、当時Sloanを訪問したときに受けた印象が忘れられず、結果的にMBAを志願するに至りました。
やや後付けになりますが、MBAを志願した理由としては、日々の業務で海外の顧客・投資家・同僚と接する機会が非常に多く、近い将来その中でリーダーシップを発揮する力を、MBAを通じて培いたかったという点が挙げられます。加えて、新卒からファイナンス畑を歩いてきましたが、一度立ち止まって自分のキャリアについて真剣に考える時間と、ファイナンスとは別の視点でビジネスを見つめる機会が欲しかったことも志望動機となっております。
Why Sloan?
上述の通り、初めてSloanを訪問した時の印象が良かったことが大きなきっかけでしたが、理由としては大きく以下の3点です。
・大学時代理系学部から経済学部へと転部した背景もあり、MIT全体の理系の雰囲気に魅力を感じた
・将来Sustainability Financeを日本の市場で普及させたいと考えており、SloanでSustainable Certificateを取得したいと考えた
・ボストンという環境が、家族帯同で留学する自分にとって住みやすそうと考えた
受験スケジュール
2014.9 1st Campus Visit。MIT Sloan含む米国MBAを旅行も兼ねて4校訪問
MIT Sloanに憧れを持ち、漠然と将来のMBAチャレンジを意識
2017.3 社費公募通過
2017.6 Adam Markusをカウンセラーとしてアサイン
2017.7 MIT Sloanを含む受験校6校を確定
2017.10 Rod Garcia氏が弊社訪問
2nd Campus Visit。MIT Sloan含む米国MBAを5校訪問
2018.1 2nd Roundにて4校出願(TOEFL104 / GMAT670)
出願直後にGRE対策開始
2018.2 3rd Campus Visit。MIT Sloan含む米国MBAを3校訪問
Interview Invitation受領
2018.3 GRE320(GMAT換算680)を取得したため、スコア差し替え
東京にてRod Garcia氏と面談
2018.4 MIT合格
TOEFL
アゴスの入門講座の様なものでTOEFLの概要を把握したのちは、Web TOEFLとAndy田開氏の勉強会を利用して基礎を築きました。その後E4TGに数か月通ってスピーキングの訓練を行い、あとはひたすら問題を多くこなす様にしていました。しかし、100点の壁をなかなか超えられず、一時IELTSにも手を出した時期がありましたが、100点を超えた時点でTOEFLに軸足を戻しました。105を目標としておりましたが、最終的に未達で終わってしまい無念の思いです。苦戦した理由としては、リスニングの点が安定しなかった点につきます。他3セクションで安定的に高得点を取得できる状態にいち早く辿り着き、リスニングで高得点を取得できるまで受け続けることが目標達成の要と考えます。
MBA受験を志した時点でMIT Sloanが第一志望だった私にとっては、GMATの重要度の方が高かったため、受験最後の方はダラダラとTOEFL(加えて、たまにIELTS)を受け続けていただけでしたので、振り返ると極めて非効率だったなと後悔しております。
GMAT
GMATの1年以内受験制限回数を消化した後、GREも受験しました。出願時点ではGMATを使用したものの、面接直前にGREで若干改善したため、スコア差し替えを依頼しました。尚、Sloanのウェブサイト上には、アプリケーション締め切り以降のスコア差し替えは受け付けないと明記してありましたが、出願後にキャンパス・ビジットした際にアドミッションの1人から、スコア差し替えを受け入れると言われました。Rod Garcia氏にも面接時に「今後もスコアのアップデートがあったら教えて」と言われたので、なんだかんだ受け入れているみたいです。
GMATの対策について。Quantitativeは、理系バックグラウンドがあったため、マスアカで単語を覚えた程度です。Sloanのウェブサイト上で、明確にQuantitativeを重視すると掲載されていたため、51を死守する覚悟で臨みました。VerbalはY.E.SとAffinityに通いました。しかしながらCRとRCで結果が全く出ず、Verbalは本当に苦戦しました。予備校のレクチャー自体は大変有益なものであり、私の読解力・速読力の乏しさが原因だったかと思います。
GREについては、既に2nd Round出願も終了した後に、「まぐれで点が出ればラッキー」程度で対策無しで3回受験しました。Verbalの単語問題は難解過ぎて今更対策は無理と判断して適当に解き、殆どの時間を読解問題に割きました。3回目の受験で読解問題の正答率が高かったのかVerbalで150に到達し、その受験回にQuantitativeで満点を取ることができ、OverallでもGMATを若干上回ったため、スコア差し替えに至りました。GREには、多くの人が予備校に通うGMATのSCが含まれないため、単語問題を除けばGMATからGREへの移行は比較的ハードルが低いです。GMATで行き詰まった際の保険として頭の片隅に入れておくと良いかもしれません。
Essay
Adam Markusに依頼しており、他のカウンセラーは検討しませんでした。弊社からSloanに進学した方々の多くがAdamに依頼していたことから、実績を重視して即決しました。(Interview Invitation後に提出が求められるAdditional Essayのみ、Adamと仕上げた後に、Interview練習を依頼していたJessica KingとMatthew Aldridgeにもレビューして貰いました。)
エッセーの方向性としては、①SloanのMissionを確りと理解し、②過去の体験に基づいてそのMissionを将来達成することができるポテンシャルを兼ね備えており、③MITコミュニティにおいて周囲に好影響を与えられるアプリカントであることを、④他アプリカントと差別化されたエピソードで示すこと、この4点を徹底的に意識しました。SloanのEssayは他校と異なり、CVとResumeとVideo Essayの3つのアイテムで構成されますが、CVで①を、Resumeで②を、Video Essayで③示す様にAdamと綿密に戦略を練りました。私は投資銀行というMBAの世界では掃いて捨てるほどいるバックグラウンドであったため、④については全てのアイテムにおいて取り入れる様に心掛けました。
(尚、2通のLetter of Recommendationについては、①~④を包括的にカバーして貰える様、推薦者に依頼しました。)
Interview時のBehavior Questionもそうですが、Sloanは②の過去経験を非常に重視します。これは私見ですが、ビジネススクールに応募する人の多くが20~30代の若者であり、Rod Garciaも驚く様なビジネス経験を既に持っている様な人はごく僅かでしょうし、ましてその経験においてどこまで主導的役割を実際に担ったかは懐疑的です。恐らく、大半の人が多かれ少なかれ、キャリア面では自分を大きく見せる努力をしているでしょう(かく言う自分も然り)。Sloanの良いところは、キャリア上のShort/Long Term Goal(要は将来のこと)ではなく、過去の取り組みをより評価してくれる点であり、それはキャリアのみならず学生時代の取り組みであったり、Extracurricular Activityであったりしても良いのです。そのため、わたくしもResume、CV、Video Essayのいずれにおいても、Career + Extracurricularの両方をバランス良く取り入れるよう心掛けました。インタビュー時にも、CareerよりもExtracurricularにおけるトークの方がRodの食いつきは良かった様に思います。
Interview
Essayの欄でも少し触れましたが、メインのAdamに加えて、Jessica KingとMatthew AldridgeにInterview練習を依頼しました。自分の中では、ロジックをAdamに、プレゼンテーション力の強化をJessicaに、Speechの構成をMatthewに、という使い分けをしていました。Interview前2週間は、毎日3人のカウンセラーとのセッションを行いましたので、凄い勢いでお金が減っていきました。
Interviewの練習に際しては、Sloanが好きそうなキーワード(”Innovation”や”Collaboration”など)をリストアップして、それぞれにフィットする過去の経験談をそれぞれ2つずつ用意しました。1つはアプリケーションの段階で触れている経験、もう1つはアプリケーションで触れていない経験を用意したのですが、SloanはAlumni面接ではなくAdmission面接ですので、既にアプリケーションは読み込んでいるでしょうし、常に新しい情報を提供することは相手を飽きさせないためにも重要と考えたためです。Sloanの面接は多くの場合、”Any updates since the application?“で始まります。逆に言えば、”アプリケーションは読んだから、他のこと話して”というサインでもあると捉えることもできると思います。Essayと同様、Career + Extracurricularのバランスを考えてトークを組み立てる様にしていました。
Rod Garciaとの面接ではBehavior Questionが聞かれるかと思いきや、“Any updates?”の質問の後は、”Talk anything you want.”と言われ「え、話が違うぞ?」と思い一瞬テンパりましたが、相手の質問に合わせてトークを微調整する手間が省けましたので、むしろ自分のアピールしたいポイントを好きなように話せたので、こちらとしてはやり易かったです。ただ、このスタイルだと一方的に話し続けることになりがちですので、要所要所で事前に準備していた質問をRod Garciaに投げ掛け、Interactiveな雰囲気作りに努めるようにしました。
他の受験仲間とのインタビュー練習も有効だと思います。カウンセラー費用を抑えるという観点でも有効ですし、何より定期的に英語を発信する機会というのは日常生活の中ではなかなかないと思いますので。私はそのような対策はとっていなかったのですが、幸い日常的に海外拠点のバンカーと電話会議する機会があったため、スピーチ練習はそのような機会で代用(内容は当然仕事の話)していました。また、MBA卒の海外の若手に練習相手を1度だけ依頼しましたが、流石に相手も忙しいので以降はやっていません。その意味でも、受験仲間との練習は実践すべきだったなと少し後悔しています。
その他
MBAスクールの選考プロセスでは、Test Score、Application Items(Essayなど)、Interviewの3つの要素が考慮されますが、実はそれ以外にもアピールする材料はあると個人的には思っています。キャンパス・ビジットや東京でのOfficial EventなどAdmission Stuffと知り合う機会は積極的に活用すべきと考えます。私の場合、テストスコアが振るわなかったため、なりふり構わず色々とアピールしました。結果にどう作用したかは不明ですが、やっといて良かったかなと今は思っています(勿論、嫌がられる可能性がありますので、採否はご自身の判断でお願いいたします)。
最後に
ここまで色々私自身の受験体験談を述べてきましたが、MBA受験に必勝法というものはありません。是非皆様それぞれに合った受験戦略を早い段階で確立して、目指す学校への切符を勝ち取っていただければと思います。ボストンでお待ちしております!!
体験記 (3)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 33歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 法学 |
職歴 | 10.5年 |
はじめに
MIT Sloanに興味を持っていただきありがとうございます。純ドメ、海外経験なし、仕事での英語使用なし、というビハインド状態からのMBA受験は想定以上に大変であり、何度も「どこにも受からないのではないか」という不安に襲われました。その過程で感じたことを簡単に記します。この体験記が、今後MBA受験を考える皆様の(特に、同じようなバックグラウンドの方々の)お役に少しでも立てば幸いです。
Why MBA?
正直なところ、元々は「もう一度リスクフリーの学生に戻りたい」という単純な動機に端を発しています。
ビジネスの話をすると、私は邦銀にて大企業向け営業3年強、ストラクチャードファイナンス業務に5年強関わってきました。
元々入社したときから海外MBAに漠然とした憧れはあったものの、目の前の業務の専門性を高めることで精一杯だったこと、そもそも業務自体が面白かったこと、また英語をいちから学ぶモチベーションが上がらなかったこと等を理由に、MBA受験を本気で検討するには至りませんでした。
しかし、同業務の経験年数も長くなり、ある程度やりきったと感じる中で、良く言えばそれなりにやっていける自信がつき、悪く言えば「慣れ」を感じていることに気が付きました。現在の部署は入社時から希望していた部署であり、この部署より面白いビジネスができる部署は会社の中にはないのでは?次にやるならどんな仕事がよいだろう?と考えたときに、もう少し全社的な視点で物事を考えたいと思うようになりました。また、当時の顧客であった大企業のマネジメントの方々や、PEファンドの方々と日々対峙する中で、ファイナンス以外のビジネス全般に関する視点が自分に足りていないと感じる場面も多く、そうした中でMBAへの想いが再燃しました。
加えて、すこし抽象的に聞こえるかもしれませんが、これまで10年近く1つの会社で働く中で凝り固まった考え方や物の見方、リスク許容度を一度リセットしたいと思ったときに、MBAほど良い機会はないなと思ったことも理由の一つです。お話を伺ったMBA取得者の先輩方は皆「当初全く想像していなかった経験をすることができた」とおっしゃっており、こうした体験を得たいということもWhy MBAの1つです。
Why Sloan?
- 「理論と実践」の両輪を回すことを重視するカルチャー
⇒これまで自分が大切にしてきたこととのフィットを感じました - 定量的なアプローチを重視するカルチャー
⇒金融機関で比較的数字ばかり扱う業務をしていた割にはいわゆる「理系マインド」が欠けていると感じており、苦手分野を克服する機会になると思い、ふわっとした議論に終始しがちが授業の多い学校よりは定量的アプローチも重視する学校を受験しました - 自分に足りないもの、異なる強みを持っている学生が多い環境
⇒2と近いですが、自分とバックグラウンドの異なる学生が多い環境に身を置くことこそがMBAに行く意味だと思いました - キャンパスビジットした際のキャンパスとボストンの街の印象
⇒この街で家族と生活するイメージが鮮明に浮かびました
受験スケジュール
• 2016年5月 :社内公募出願。TOEFL85点
~ 何もせず~
• 2016年12月:社内公募合格。受験戦略を立てる
TOEFL75点
• 2017年1月 :TOEFL 81点
• 2018年2月 :TOEFL 98点。このペースならすぐに100点は超えると思いきや、以後8月まで100点手前で足踏み
• 2018年2月~8月:ひたすらTOEFL(7月からはIELTSも)を受験
• 2017年9月 :TOEFL103点取得。GMAT勉強開始
GMAT受験(630点)
• 2017年10~11月:GMAT受験(660点)
10月締切の学校向けにエッセイ作成、出願
• 2017年12月:GMAT受験(700点)
年末年始に6校分エッセイ作成、出願
• 2018年1月 :2校インタビュー、2校合格通知、全滅回避してホッとする
MIT他キャンパスビジット
• 2018年2月 :3校インタビュー
• 2018年3月 :2校合格通知。1校waitlist
MITインタビュー
• 2018年4月 :MIT合格通知
TOEFL
【総論】
一番苦しんだプロセスです。上記のとおり、2016年5月に85点を取得したあと、社内選考通過後の2016年12月の結果が75点、1月に81点と、非常に幸先の悪いスタートとなりました。その後2月に98点を取得し、「GWまでに105点突破(最低100点突破)」を目指しましたが、私の英語力では短期間でスコアアップはできず、結局最低目標スコアである100点を突破したのは8月末でした。
当然個人差はありますが、スコアが一番安定するまでに時間がかかるのがListeningだと思います。従って、最短でスコアを揃えるためには、先ずReadingとListeningに集中して時間を投下し、ある程度スコアが安定したら(RとLの合計が45を超えたあたりから)Writing、Speakingにシフトしていく、という進め方が理想ではないでしょうか。
私の場合、このまま勉強すればなんとなくLも上がっていくだろうと高を括っていたこともあり、Lの地力がつかないまま他の科目に時間をかけてしまったこともあり、最後の最後までスコアメイクに苦労しました。R:29、L:19、S:23、W:27、Total:98点 といったスコアが半年近く続き、「せめてLが23あれば。。。」という悔しい思いを何度も味わいました。
尚、志望校次第ではIELTSを選択するのもありだと思います。理由を簡単に申し上げると、①一般に言われるTOEFL/IELTS間の換算スコアを前提とすれば、IELTSのほうがスコアが出やすい印象があること(あくまで自分と受験仲間数人のサンプルです)、②IELTSの対面式Speakingテストが、後々のインタビュー対策になること 等が挙げられます。
【Reading】
ひたすらTOEFL Practice Onlineをこなしました。10セット(30パッセージ)くらいこなしたあとは28点を下回ることはなくなりました。
【Listening】
同じくTPOをこなしましたが、こちらはなかなかスコアが伸びず、20点前後で足踏みしました。おそらく、音を正確にとるトレーニングに注力する一方、意味をとるトレーニングをおろそかにしていたのだろうと思います。結果として、似た音の違いやリエゾンを聴きとることができても、結局「何を言っていたのかが分からない」という状態が長く続きました。
上記に気が付いてからは、「1センテンスを聴くごとに音源を止め、「今何を言っていたか」を頭の中で(英語でも日本語でもいいので)確認し、これを1センテンスごとに最後まで行う」という勉強を続けました。その結果、理解度が明らかに高まり、音が右から左に抜けていってしまうこともなくなってやっと25点以上がとれるようになりました。
【Writing】
初期にネイティブによる添削を少し受けましたが、Lに時間をとられた結果、また25~28で安定していたこともあり、ほとんど何もしませんでした。但し、Integratedは回答パターンを書籍や友人から学び、自分なりの型を作りました。
【Speaking】
E4TGに3カ月ほど通いました。同スクールの方法論をベースにしながらも、本番ではあまり型に拘らずその場で思ったことを喋るようにしました。
GMAT
GMATに関しては「勉強時間とスコアが比例しない」、「ルールが独特で実生活に役立たない」といった意見もよく耳にしましたが、個人的には真っ当なテストだと感じました。すなわち、求められているのは「読解スピード」「論理的な読解力」「一定の数学力」であり、それらを地道に高めることで、少しずつスコアは上がると考えます。もちろん、一部GMATでしか要求されないだろうなという不可解なルールも存在しましたが、そういった点は予備校に通うことでカバー可能でした。
また、個人的にはTOEFLに比べて勉強自体は楽しく、(スコアがすぐに出なかったことを除けば)あまりストレスはありませんでした。
私の考えるGMATのポイントは以下のとおりです。
1. MATHを舐めない
ネット等で先人の体験記を読むと「日本人ならMATHは満点、最低でも50点」といった内容が多いですが、中学受験をしていない私には最後まで難しかったです。もちろん個人差はありますが、周りの受験生もそう簡単に50点には到達しない印象でした。私は最初から数学が苦手なことは分かっていたので、TOEFLにほぼすべての時間を費やしていた時代も、MATHだけはなるべく早い段階から少しずつ触れるようにしました(それでも同級生の中ではおそらく一番低いMATHスコアだったと思います)
2. 読解スピードが全ての基礎
言うまでもないですが、VerbalのみならずMATHも含め、英文読解スピードが全ての基礎となります。予備校等で教わるテクニックも、読解スピードという土台があって初めて意味があると感じました。
3. 短期集中で攻める
理想を言えば、GMATだけを勉強する期間を作り、2-4カ月で一気に終わらせるのがベストだと思います。SC等のテクニックはダラダラと勉強していても忘れてしまうからです(すでに全く覚えていません)。
私は受験プロセスの最後のほうでTOEFL、GMAT、エッセイ(及び学校研究)が全て重なるという地獄のような日々を過ごしましたが、仮にTOEFLの目標スコアが出ていなくても、どこかでGMAT強化月間を作るというやり方もありだと思います。
Essay
英語力に自信がなかったことから、7月頃から日本人カウンセラーとネタ出しを行いました。その後、米国人カウンセラーと最初に出願する学校の締切に向けて9月頃から1カ月ほどかけて本エッセイを作成していきました。
1月締切の6校は12月末から2週間ほどで一気に書き上げました。プロセスを通じて一番忙しい時期だったと思います。
エッセイに限らず受験プロセス全体を通じての話になりますが、数多くの受験生の中から自分を選んでもらうためには、「自分自身をいかにマーケティングするか」が重要だと思います。特に、日本の大企業に所属するサラリーマンにとっては、通常訴求できる面白いバックグラウンドはあまりない中、他の似たようなバックグラウンドをもつ受験生といかに差別化するかがトップ校合格のポイントだと考えます。
そうした前提に立てば、個人的には自分の関わったプロジェクトの大きさ、知名度等、表面的なエピソードの「大きさ」をアピールすることは避けるべきだと考えました。むしろ、「自分なりに絞りだした工夫」や「なぜ自分はその行動をとることを選択したか」、「その行動がどういったインパクトを与えると想定していたか」等を掘り下げ、自分の思考プロセスを丁寧に伝えることを意識すべきだと考えます。
大したことのないテストスコアの純ドメおじさんにも関わらず、比較的多くの学校から面接に呼んで頂けたのは、そういった点が奏功したのではと思っています。
以上を前提に、私の考えるエッセイ(&インタビュー)のポイントは以下のとおりです。
1. 自分がどんな人間なのかを掘り下げて理解する
自分が何を考え(または「何を考えず」)、どんな行動をとり、そこから何を感じてきたかを整理することが重要です。そのプロセスを通じて、一見似たようなバックグラウンドの受験生と比較しても、差別化できるポイントが表れてくると思います。
2. 日本人と欧米人(特にアドミッション)の面白いと思うポイントは異なる
上記の「自分を掘り下げる」というプロセスを効果的に進めてくれる存在こそがエッセイカウンセラーです。私自身、カウンセラーとのやりとりを通じて、自分では全く特別だと思っていなかったことが欧米人には魅力的にうつる、という事実に気づかされました。実際、そこでアドバイスをもらったエピソードに関しては、面接でもimpressiveだと評価して頂けたり、その話題をきっかけに話が盛り上がった場面は多かったです。これらはカウンセラーによるアドバイスなしには最後までアピールポイントにしようとは思わなかったでしょう。
3. 仕事以外の話題をしっかり準備する
面接では仕事以外のプライベートに関する話を聞かれることが多く、そこで何かしら人と異なる趣味やバックグラウンドを持っていると大きな武器になると思います。特にアメリカ人は家族の話や趣味の話を好む傾向にあり、私自身、好みの音楽ジャンルや子供の頃の経験の話をかなり突っ込まれ、面接時間の半分程度を費やしたこともありました。面接官も人なので、日本人の同じような仕事の話ばかり聞いているのは飽きるのだろうと思います。
Interview
インタビューはContentとDeliveryに分けらることができると思いますが、前者に関しては、上記エッセイに記載した内容と重複しますので割愛します。
Deliveryに関しては、出願直前までスコアメイクとエッセイ作成に追われていたこともあり、1月半ばから一気に詰め込みました。自分の英語力からして、日本語を話すときと異なり、考えていることをspontaneouslyに喋る自信は全くなかったので、先ずは極力scriptを作成するよう心掛けました。具体的には、喋りたい内容を自分で英語にし、その内容をオンライン英会話や格安対面式英会話のネイティブに見てもらってなるべく自然な英語に直してもらう、という作業を1月末からほぼ毎日行いました。
その英文をベースにカウンセラーとのセッションを数回行い、①あまりにネイティブチックな表現をシンプルな表現に修正してもらう②ロジックのおかしな点を指摘してもらう というサポートをお願いしました。
尚、時間を定めて最初から最後まで遠しで行う模擬面接はほとんどやりませんでした。理由はいくつかありますが、1つには単純に他の準備に時間がとられて時間が足りなかったこと、もう1つは、自分の英語力を勘案すると、不完全な状態でアウトプットのトレーニングを行うよりも、適切な表現をインプットすることに時間を割いたが重要だと感じたからです。
面接本番では、どの面接官も英語力より内容を真剣に聞いてくれているという印象がありました。(上記の下準備と一見矛盾するかもしれませんが)本番では出来る限り自分の言葉で語ることを意識し、取り繕うことをせず、回答が難しい質問は素直に「少し考えさせてください」と断った上で、その場で頭の中の日本語を英語に変換しながら回答しました。不思議なことに、そういった回答ほど、面接官の表情が明るく、彼らに「響く」という印象を受けました。
MITに関しては、日本でRod Garciaと面接を行いました。色々な質問を受けましたが、共通するのは「この人はどういったことに価値を置いて日々を過ごしているか」という点、および「この人は周りの人とどのように良い関係を築くか(いわゆるinterpersonal skill)」の2点を見られているという印象を受けました。
最後に
MBA受験のプロセスは思い出すだけでもしんどく、もう二度と経験したくないですが、一度はやっておいて損はないと思います。私のような凡人にとっては、MBA受験のプロセスが、これまで自分が何を考えて行動を起こし、これからどんなことをやっていきたいかを真面目に考える唯一の機会だったからです。
また、受験を通じて、会社の同僚や受験仲間、在校生の皆さま、そして家族のサポートを大いに感じることができ、これまで以上に皆さまに感謝する機会にもなりました。
合格を頂くその瞬間まで、何度も気持ちが途切れそうになると思いますが、そんなときはこれまで合格してきた諸先輩方の大半も受験当時は同じ気持ちだったことを思い出し、最後まで頑張って下さい。健闘を祈っております!
体験記 (4)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 30歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 文学部 |
職歴 | 8.5年 |
はじめに
MIT Sloanに興味を持っていただき、誠に有難うございます。当方は海外(シンガポール)からの受験であったため、日本在住の方にとっては一部役に立たない部分もあるかもしれませんが、一つの事例として少しでも参考になれば幸いです。
Why MBA?
2014年からミャンマーでの新規プロジェクトを担当、現地に張り付いて業務を行う中で、「事業経営や組織マネジメントについて網羅的・体系的に学びたい」との願望が日に日に強くなっていきました。また以前から「ずっと同じ環境に安住していると、自分の成長が鈍化してしまう」との想いがあり、どこかのタイミングでまったく違う世界に身を置いて新たなチャレンジをしたいと考えていたことから、これら2つの希望を同時に叶えられる選択肢としてMBA取得を決意しました。
Why Sloan?
・MITコミュニティの魅力(Sloanのみならず様々な出会いの場・チャンスがあるため)
・イノベーション・アントレ領域の強み(新たな事業を立ち上げ、拡大していく仕事に携わりたいと考えており、Sloanの強み・方向性と合致していると感じました)
・Sloanieの人柄(皆親切でSupportive、かつ好奇心旺盛で個々人が自分のやりたいことを追及しているという印象。あくまで主観ですが)
・ボストンの街並み
…と色々書きましたが、究極的には直感です。私は2017年4月に2週間の休暇を取って、欧米の主要スクール10校をビジットしました。どの学校にもそれぞれ違った良さがあり、いずれも素晴らしい環境だと思いましたが、その中でも特に「行きたい!」と強く感じた学校の1つがMIT Sloanでした。
Why Schoolはエッセイに直結するポイントの1つでもあり、現役生やアラムナイとの会話を通じて自分のスクール像が実態に沿っているか比較・検証するプロセスが必要ですが、受験上の戦略を抜きにしても「とりあえず行って、学校の雰囲気を体感してみる」のは大事だと思います。やはり百聞は一見に如かずで、行ってみないと分からない部分って多いですし・・・。ということで、興味のある学校はビジットしてみることを強くお勧めします。
受験スケジュール
(2016年)
1月: TOEFL対策開始
6月: TOEFL 106点取得 (R28, L29, S24, W25)
7月: GMAT対策開始
9月: GMAT 第1回・650点取得 (V26, Q51, IR7, AWA4.0)
12月: 会社のBusiness School研修員に応募
(2017年)
2月: Business School研修員に内定
3月: カウンセラー契約
4月: 欧米スクール10校ビジット(2週間)
7月: GMAT 740点取得 (V40, Q50, IR8, AWA5.0) (提出スコア)
TOEFL 107点取得 (R28, L29, S22, W28) (提出スコア)
8月: IELTS 7.5取得 (L7.5, R8.0, S7.5, W6.5) (提出スコア)
9月: Round 1にてMIT Sloanを含む3校に出願
10月: MIT Sloanインタビュー
12月: MIT Sloan合格(なお他2校は1校合格(辞退)、1校不合格)
TOEFL
TOEFL:
まずはシンガポールの予備校 (ICON+) に通って試験方式に慣れた上で、2016年5月に初受験するも84点で撃沈。その後、幸いにも2回目の受験で106点を取得できた為、TOEFL用の勉強は一旦切り上げてGMAT対策に移行しました。
当方が受験した年は、MIT Sloanのみ例外的にTOEFL/IELTSスコアが不要でしたが、他校受験では基本的に必要となるため、早めに少なくとも105点以上(HBS志望であれば110点以上)を取得されることをお勧めします。セクション毎の対策としては以下の通りです:
(Reading)
特になし
(Listening)
特にListeningにフォーカスした練習はしませんでしたが、各設問の「最初の30秒」は特に集中して聞き、話の流れを速やかに掴むことを意識しました。
(Speaking)
最も苦労したセクションです。基本的には回答テンプレートの暗記+予備校・レアジョブでの練習。早い段階で22点を下回ることはなくなりましたが、毎回22-24点の間で推移し25点以上を取ることは出来ず、実力不足を痛感しました。恐らく自分に足りなかったのは「流暢な発音」+「難易度の高い語彙・フレーズの使用」の2点ではなかったかと思います。
(Writing)
Speakingと同様、テンプレート暗記が基本。自分の場合は最後の3-5分を文法・スペルチェックに充てることに費やしたほか、文字数を増やすこと(Integrated Taskでは200字以上、Independent Taskでは400字以上を目安)を意識した結果、安定して28点以上が出るようになりました。
IELTS:
全くの無対策で1度だけ受験しましたが、少なくともSpeakingについてはTOEFLより相当楽でした(TOEFLはパソコンに向かって喋るのに対して、IELTSは試験官との会話形式)。他方、WritingはTOEFLと大分傾向が異なり、かつ手書きでの回答となるため、少し注意が必要です。個人的にはもう少しちゃんと準備しておけば良かったと反省しています。
GMAT
GMATは短期決戦で集中的に取り組むべきだと思います。自分は2016年7月から対策を始めましたが、本格的に勉強したのは2017年4月下旬~7月中旬の3か月間。この期間は毎日3時間、1日も欠かさずに勉強することを自らに課しました。
Verbalに関しては、制限時間内に回答する為にはもっと語彙を増やす必要があると考え、『GMAT重要単熟語』(ジャパンタイムズ出版)や『Economist』等を読み込んで語彙力を強化しました。なお単語・フレーズの暗記に際しては、Kelloggの先輩から教えて貰った「Anki」というアプリが大変役に立ちました。(忘却曲線の考え方に基づき、正しく答えられた問題は出題頻度が減っていく一方、間違えた問題については短いスパンで何度も出題されるというもの。とってもお勧めです)
摸試は主に公式のGMAT Prep(計6セット)を活用しました。Manhattan Prepも利用しましたが、本番と比べてQuantitativeが難しすぎる為、あくまでVerbalの練習用として用いました。GMAT Prepは本番と同難易度であり基本的に良問揃いですが、点数が本番より高く出てしまうため、点数ではなく正解・不正解の絶対数を気にするべきだと思います。(ちなみに、本番どれだけ間違えたかはEnhanced Score Reportを取り寄せれば大体計算できます。実際の点数は各問の難易度に応じて変動する為、正答数はあくまで一つの目安でしかありませんが、自分の場合は740点(V40, Q50) 取得時でVerbalが41問中7-8問不正解、Quantitativeが37問中 1問不正解だったようです。ご参考まで)
セクション毎の対策としては以下の通りです:
(Quantitative & IR)
GMAT Prepのみ。自分は数学が比較的得意だったのであまり苦労しませんでしたが、英語でのVocabularyや言い回しは最低限身に着ける必要があります(特に自分のような非帰国子女の場合)。
(Verbal/SC)
・色々手をつけましたが、一番役に立ったのは濱口塾のGMATオンライン講座+GMAT Prep(公式)の2つです。よく言われることですが、「勘」や「何となく」で答えるのではなく、厳密に判断して誤った選択肢を確実に消すこと(+それが出来るようになるまで実力をつけること)が重要だと思います。
・答えが分からない問題については、多くの場合本文をGoogle検索するとGMAT Clubなどで解説が投稿されており、ある程度参考になります。(解説自体が間違っているケースもありますが)
・なお余談ですが、自分は当初シンガポールの予備校 (ICON+) に通っていたものの、予備校のインド人講師でさえ正解・不正解の理由を明確には説明できておらず、”~ is incorrect because GMAT doesn’t like this phrase.”といった雑な教え方でした。「えっ、それだけ?」と戸惑った反面、インド人にとってもGMATは難しいのだなあと実感したのを覚えています。
(Verbal/CR)
基本的にはただの論理ゲームですが、上級問題になると微妙な選択肢も多くなり、難易度が上がります。間違えた問題について「なぜ間違えたのか・なぜこの選択肢が正解なのか」を良く分析して、類似のミスを繰り返さないことが大切だと思います。
(Verbal/RC)
時々「Verbalはまともに解くと時間が足りなくなるので、RCの大問1つを丸々犠牲にした」といった体験談を見ますが、個人的にはもったいない気がしています。もちろん戦略は人それぞれですので、最終的には個々人の判断となりますが、個人的には「RCを全問読み込んでも制限時間以内に全問答えられるだけの英語力を身に着けること」が王道ではないか・・・と思っています。
(AWA)
TOEFLのWritingと同様、まずはテンプレートを暗記した上で沢山書くことが大事です。スコア6.0の文章サンプルがネット上に沢山転がっています。
Essay
時間をかければかけるだけ、ほぼ間違いなくエッセイの質は上がります。したがって、極力早めにGMATを終わらせた上でエッセイ対策に移行するべきです。自分のケースでは7月中旬にGMATが終わりましたが、9月のRound 1提出(3校)は正直ギリギリでした。
人によって色々なやり方があると思いますが、自分の場合はまず「自分史」をプレゼン形式にまとめて人生を振り返り、その中で印象的なエピソードをいくつかピックアップしてストーリー仕立てにするところから始めました。その上で「自分の強み・弱みは何か」「自分がこれまで大事にしてきた価値観は何か」「なぜMBAに行きたいのか、将来どうなりたいのか」といったテーマについて考えを深めていきました。
カウンセラーは江戸義塾 (Ed) と Aureus Consulting(シンガポール)の2社でした。これも人によって色々なやり方がありますが、自分はEdと一緒に大筋のストーリーを固めつつ、英語表現の細かい部分はAureusのカウンセラーにFace-to-Faceで相談するというスタイルを取りました。
私の受験した年は、SloanはCover LetterとVideo Introduction(+書類選考通過後のAdditional Essay)でした。Videoでの自己紹介(1分間)は、自分はミャンマーでの経験を自分のコアストーリーとしていたことから、ミャンマーの観光名所をバックに撮影しました。40度近い炎天下、観光客からの視線を気にしながらの撮影はTake 30を超える苦しい戦いとなりました(セリフを噛みまくったため)が、結果的には合格できたので良かったです。
Interview
とにかく練習に尽きます。自分の軸がぶれないことを意識しながら想定問答を作成し、カウンセラーや受験仲間と練習して、フィードバックを貰う作業の繰り返しだと思います。
Sloanの面接は20分程度の短いものでした。聞かれた内容としてはice breakingに加えてbiggest achievement, synopsis of thesis, most challenging sale, あとは自分の業界に関する質問などでしたが、卒論に関する質問は若干焦りました。仕事以外のことを聞かれたときにも上手く回答できるよう、事前に準備しておいた方が良いかと思います。
最後に
MBA受験は長く苦しい戦いでした。スコアが伸びず苦しんだ時もありましたし、答えのないテーマに向き合い続ける作業に嫌気がさしたこともありました。
それでも受験が終わったいま、改めて当時をふり返ってみると、全てかけがえのない素晴らしい日々であったように思います。このプロセスを通じて、日々の仕事では決して経験できない数々の出会いがあり、また沢山の気付きを得ることができました。それに、勉強の面白さ・明確な目標に向かって努力することの楽しさを再認識する良い機会となりました。
受験生の皆さんがMBAを志す理由は様々だと思いますが、ぜひ受験期間中も含めて、充実した時間を過ごして頂ければ幸いです。何か困ったこと・お役に立てることがあればいつでもJapan Clubまでご連絡下さい。実際にお会いできる機会を心待ちにしています!
体験記 (5)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 32歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 経済学部 |
職歴 | 9年 |
はじめに
私は非帰国子女・留学経験無しというバックグラウンドということもあり、TOEFLの勉強から本格的に受験準備を始めてこれ迄3年以上の歳月を費やしました。恐らく平均的な受験生より長いと思いますが、時間が掛かってしまった分受験を通じて気付いたこともあったのかなと思っています。特に同じ様なバックグラウンドの方にとって、ご検討の一助となれば幸いです。
Why MBA?
これ迄約9年間の総合商社でのキャリアの中でのきっかけとなった出来事が2つありました。一つは入社5年目で米国の投資先(米国の大手メーカーとの合弁会社)で3ヶ月間働いた経験。短い期間ながら本社以外で働くのは初めてで、自社からの出向者を含む経営陣の経営に関わる日々の喧々諤々の議論やハイレベルな意思決定を見ていて、自分も将来同じ様な関係会社の経営を担っていくには、当時の既存業務の延長線上では無く、グローバルな環境の中でもっと自身の成長カーブを引き上げていく必要があると思いました。偶然もありますが、その時のメンバーにMBA取得者が多かったことも、その為の手段としてMBA留学を選んだ理由の一つです。二つ目は、その後担当した資源の投資案件。操業開始後中々経営とオペレーションが上手くいっていなかったプロジェクトで、会社としても社員である私一個人としても、特に上手く行っていない事業そのものや会社を経営し改善する為の経験や知見、そして実力が足りてないと感じ、MBA留学を目指すことにしました。
Why Sloan?
社内に尊敬出来る卒業生が多くおり、またその方々と偶々お仕事をさせて頂く機会も多かったので当初より意識していました(結果、学校説明会には3年連続で参加しました)。MIT SloanにはDistributed Leadershipというリーダーシップの考え方がありそれに強く共感していたこと、collaborativeなカルチャーが体現されていること、バランスの取れたカリキュラムで社内の卒業生を見てもgeneral managementという観点からも申し分ない学校であることが主な理由です。また、MBAを考え始めてTOEFLを始める前に一度キャンパスビジットに訪れたのがボストンで、その時にボストンの美しい街並みと歴史ある雰囲気に惚れて、「いつかボストンに戻って来たい」「いつかボストンで生活してみたい」と思ったことも大きな理由の一つです。と、理由は複数ありますが、最後はやはり卒業生・在校生に魅力的な方が多かったことが決めてになりました(最終的には30人以上の在校生・卒業生の方にお話を伺いました)。
受験スケジュール
2015年
3月:AGOSのTOEFLパッケージ受講開始。
8-9月頃:TOEFLが一旦90点台に乗る。AGOSのGMATパッケージを受講し始める。
10-11月頃:結果、TOEFLが全く上がらなくなる。GMATは一旦辞めてTOEFLに集中することにする(社内選考応募を1年遅らせること決意)。TOEFL対策として更にLINGOに通い始める※以降、数か月間TOEFLは90点台を彷徨う。。
2016年
5月:Listeningの点がjump upし、漸くTOEFL100点越え(106点)。
6月:GMATへ完全シフト。YESへ通い始める。
11月:GMAT初受験710点。
12月:社内選考応募
2017年
3月:社内選考合格。EdとVince両カウンセラーと正式契約し、レジュメを完成させると同時にEssayのネタ出し開始。GMATの勉強再開。
4月:キャンパスビジット
6月:GMAT2回目受験740点(GMAT終了)。以降TOEFLを再開。年末迄2-3週間に1回のペースで受け続ける。
7月:Essay作成を本格化。Career goal、Why MBA等の骨子が固まり始める。
9月:1stラウンドで4校出願
10月:1stラウンド4校のインタビュー。
12月:1stラウンドでMIT Sloan含む3校合格(1校合否前に辞退)。
TOEFL
受験生活で最も苦労した部分でTOEFLを20回以上受験しました。特に90点台後半で足踏みしていた数か月は本当に地獄の様でした。AGOSでベースを作り、LINGOで磨きを掛け、最後は100点越えの足を引っ張っていたListeningスコア改善の為にひたすら過去問の音源でtrainingを続けたという感じです。
GMAT
GMATは振り返ってみても手応えと結果が余りリンクしていない不思議な試験だったというのが個人的な感想です。受験1回目では、それまで一度もPrepで700点を超えたことがないのに710点が出ました。試験途中から手応え無く、1回目は練習と割り切ってサクサク解いていったことが、逆に吹っ切れていて良い結果を齎したのかも知れません。一通り勉強してPrepで本番の感覚を掴んだら先ずは一度本番を受けてみるのが良いと思います。1回目で710点を取って以降、社内選考準備と試験で約4ヶ月のブランクがあった後、更に点数を上げるべくGMATの勉強を再開。再開して2ヶ月後の2回目の受験で740点を取ることが出来ました。
GMATのMathはひたすらマスアカとPrepを繰り返しました。Prepは追加パッケージを購入して、毎回正解を確認せずに(答えを覚えてしまうので)活用することがポイントです。VerbalはAGOSとYESにお世話になりました。AGOSでベースを作り、YESでSCでの判断に磨きを掛ける様にしました。AGOSの中山先生の個人カウンセリングは、自身の弱点発見と集中的な対策の費用対効果がかなり高く、特に試験日間近にはお勧めです。1回目・2回目ともに試験直前に2-3回個人カウンセリングして頂いたことも、上記の結果に繋がっていると思います。
個人的な経験からのアドバイスとしてはAWAとIRを決して疎かにしないこと。1回目の710点で出願しようかとも考えましたが、1回目のAWAが3.5と低く、私の場合は心配性で気になって仕方が無かったのでAWA改善の為にGMATを続けることにしました(AWAやIRの点数がどれだけ合否に影響するかは正直良く分かりませんし、学校に拠っても違うのだとは思うので、この辺りは人に拠って判断が分かれる部分だと思います)。私の様に気にする方の場合は、折角Math・Verbalで良い点を取った回があっても、AWA・IRの為に続けざるを得ない可能性もあるので、同時にある程度の点数取れる様に準備しておいた方が良いです。正直、1回目の受験の時はAWAとIRは前日にPrepやっただけだったので、この点は反省点です。
Essay
Cover letter
Career goalとWhy MBAが出願Essayに耐え得るレベルに迄落とし込むのは、やはりカウンセラーや会社の先輩や卒業生とも色々突っ込んで頂きながら時間と労力の掛かるプロセスでした。その上でMIT Sloanの場合、出願時の要求は字数制限の厳しいCover letterのみでしたので、書きたいことは沢山あるのに短い字数に落とし込むのに大変苦労しました。カウンセラーと時間を掛けて練り上げたCareer goalやWhy MBAがベースにはなりましたが、特にMIT SloanらしいCover letterにする際には、直近でご卒業された社内外の先輩方のアドバイスに大きく助けられました。この辺りはカウンセラーよりも在校生・卒業生の方の方がアドミッションに近い肌感覚をお持ちだと思いますので、大いに頼るべき点かなと思います。
Video essay
将来のクラスメートに向けて1分間で自己紹介をして下さいというお題です。反省点とアドバイスは一点、兎に角早目に手を付けること。私は抑々自分自身の映像を撮るといった作業を殆どしたことが無かったにも関わらず、締切直前になってから本格的に手を付け始めました。例えばテクニカルな話になりますが、私の場合はマンションのベランダ(屋外)で撮ることにしましたので、天気や時間帯で陽の当たり方、ひいては映像の印象が変わることに気付き、更に限られた時間で提出用の映像を撮影することになってしまいました。また、家族(妻と2歳の子供)にも一部映って貰おうと考えていたのですが、こちらも撮影のタイミングと子供のコンディションが合わず、結局叶いませんでした。時間の制約が厳しいと気が急いてしまいがちです。内容も勿論重要ですが、内容・構成検討にじっくり時間を割くためにも、兎に角早目に手を付けること、先ずは取り敢えず一度撮ってみることをお勧めします。
Interview
兎に角練習を重ねることが最も重要だと思います。その際に同じ相手と繰り返すよりも、出来る限り色んな方と面接の練習をした方が良いです。私の場合はVince始めAGOSのネイティブのカウンセラー陣とEdが中心でした。毎回自分のmock-interviewを録音して、その後1-2回聴いて改善点を見つけることと改善意識したポイントが確り実践出来ているか等checkして次に活かしていました。200-300個くらいの質問からなる想定問答集も作りました。
その他
学校研究には出来る限りリソースを割いた方が良いと思います。私の場合社内選考の応募要件が揃わず、社内選考応募/留学タイミングを当初予定より1年遅らせることになったのですが、結果として社費派遣の対象校となっている学校の会社説明会には2年連続、3年連続で参加することになりました。その分多くの在校生・卒業生のお話をお伺いすることが出来ましたし、その分学校毎の特色と自分へのfitも良く分かるようになりました。私は最終的に受験生活の間でMIT Sloanへは3回ビジットさせて頂きました。キャンパスビジットも1回でも十分だと思いますが、個人的には是非行くべきかと思います。それと家族の理解とサポートは非常に重要です。連れて行く人は家族にとっても大きく生活環境が変わるので、前広に理解を得ておくことが大事。とは言え、何があってもMBA留学するんだという強い気持ちも大事だと思います。
最後に
TOEFLの勉強に着手したのが28歳も終わりを迎える頃で「果たしてこの年齢でMBA留学って可能なのか?」という不安・心配から始まった受験生活でした。そうやって始まった受験生活も更にまた人より長いものでしたが、憧れのボストンにMIT Sloanの学生として留学出来ることとなり、諦めなければいつか夢は叶うのだということを今改めて実感しています。受験生活は夫々のステージで様々な不安との闘いでした。人それぞれ不安に駆られる瞬間や悩みもあるかとは思いますが、どうか自分を信じて最後迄諦めずに頑張って頂けたらと思います。私も決して自分一人の力だけでは無く、TOEFL/GMATの講師、カウンセラー、会社の上司・先輩、留学同期組の同志、そして在校生や卒業生と多くの方のサポートやアドバイスがあってここ迄来ることが出来ました。人生でこんなに人に助けて貰うこともないだろうと思うくらい、多くの方に支えて頂きました。もし私でお役に立てることがあればいつでもご連絡下さい。頑張って下さい!
体験記 (6)
項目 | プロフィール |
---|---|
コース | MBA |
性別 | 男性 |
年齢 | 29歳 (2018年9月現在) |
学歴 | 工学系(大学院) |
職歴 | 5.5年 |
はじめに
30代に向けて、自分の選べるカードの数と質を上げたいと思い、新卒就職前からMBAを意識していました。一方、理系出身者としては博士課程の方が順当かつ高尚であるとの思いも引きずっており、本格的に着手したのは社費応募に通過してからでした。短い期間とプレッシャーの中で何とか生き延びることができたことに感謝し、この体験記が少しでも皆様の助けになることを願っています。
Why MBA?
・先端技術を使ってどうビジネスを起こすのか、成功者の共通点は何かを学ぶ
・ヒト、モノ、カネの動かし方を知り、リーダーシップの何たるかを吸収する
・実際にトライして、失敗(できれば大失敗)する
・インターナショナルチームワークの向上
・面白い人と面白いことをする
・Comfortable zoneからの脱出
・起業家マインドを高める
Why Sloan?
・Techなリソースとそれに惹かれて集まる学生
・膨大なハンズオンの機会
・Tech/Entrepreneurの課外活動が活発
・学術都市ボストン
・個人的な在校生/卒業生とのつながり(Computer Science含む)
受験スケジュール
~2015年
TOEIC900点、英検1級取得。英語の試験に強いと勘違いする。
~2016年
1月
TOEFL73点で力の無さを痛感
ダミー問題の存在も知らず、ラフレシアの話を真剣に聞いていた
以降、TOEFL中心に勉強。この際MBA受験生の界隈で常識とされている勉強法や予備校についての情報は皆無のため、OGやBarronを使って対策。
12月
TOEFLは90点前後をうろうろ。社費選抜に合格し、焦る。
1月
先輩からの受験情報を仕入れ、Andy氏私塾・WebTOEFL・E4TGに立て続けに申し込む
月末のTOEFLで98点まで上がり、やはり勉強法が大事だと再認識
2月
1月の成功体験をもとに某カウンセラー2人とGMAT・エッセイの契約を行うが全く指導がなく完全に失敗⇒1回分の料金で解約
懲りずにGWのMeisterを申し込み。申し込んだだけで何とかなると勘違いする。
3月
TOEFLの新形式に面食らったものの104点。目標としていた3月までの100点超えを達成し4月上旬にキャンパスビジットを企画。
海外出張続きで時差ボケを引き摺りながら勉強する日々が続く。合間にネイティブに見てもらいながらレジュメ作成
4月
上旬にキャンパスビジット敢行(Haas⇒Stanford⇒UCLA⇒MIT)。レジュメは提出せず。
UCLAの芝生でタンクトップ一枚で日向ぼっこした翌日にMITでコート着ながら震えてた。寒さのイメージが強いものの、学生のエネルギーやハンズオンの姿勢に刺激を受ける
勉強をTOEFLからGMATに移す
5月
GWにMeister受講。ほぼ予備知識なしで良いですよと言われたため体系的な勉強をせず臨んだがこれが失敗。
全てを吸収できないままMeisterの問題演習⇒答えを覚える⇒できた気になる⇒prepで点数が出ないを繰り返す
6月
TOEFLはベストスコアを並べれば110に達したものの、全部が揃う回がなく104を更新できず。
スコアメイクが終わらない中救いを求めて留学生交流会に行くものの話した人の多くが6月にはスコアメイクを終えていて絶望する(振り返ると彼らはマイノリティだと思います)
夏休みの友人との約束を全てキャンセルする。心がざわつきはじめ、一人でペンギンを見に行ったりする。
7月
GMAT prepを繰り返すうちに答えを覚えてしまい見かけ上良い点が出て、勘違いしてGMAT初回受験⇒撃沈
カウンセラーのRound氏と東京でF2F打ち合わせ。フィット感を感じその場で契約。3月に作ったレジュメをぴかぴかにアップデート。
Agos夏祭りでMITの先輩に「8月までにはスコアメイク終わらせて1stで出すので!」と豪語。約束は果たされず。
8月
夏休みつぶしてGMAT演習。振り返ると基礎が固まっていない中での演習は自分の判断軸がぶれぶれになるため非常に無駄な行為であった。
prepの点数が上がらないため2回目をキャンセルし、Affinityと契約(SC-B)。基礎の大切さを知る
六本木ヒルズアカデミーに入会。49階の住人になる。
9月
10月上旬締め切りで1st roundに出願できる学校(UCLA, Tepper, UNC)に申し込むためエッセイの作成に着手
Affinityで追加受講(SC-B, CR-A, RC)。prepの点数、特にRCが安定してくるようになる
TOEFL106点取得。ひとまずの壁は超えたがベストが出れば110も狙えると判断し、月1での受験を継続
10月
満を持して受けたGMATが620で途方に暮れる。予定していた1stでの出願を全て断念
先輩に合わせる顔が無くなり、ひたすらアカデミーヒルズに引きこもる日々を送る
月末にもう一度受けるも650止まり。再度基礎を固めるべくOGの1問1問を見直す。
TOEFLの仕様変更(宣誓文朗読、Sの難化)により点数更新を見切る
11月
GMATの哲学のようなものが身に付いた錯覚に陥る。prepやkaomanfenで700中盤を連発するようになる。
再び24日に予約するも、気負いすぎて失敗。660に終わる
Round氏と相談の結果、このスコアでも勝ち目はあるということでUNCに出願。
12月
GMATはもはややることが無くなり、穏やかな気持ちで5回目を受験するも690。
700を超えない人間に人権は無い!!と言い聞かせて続けてきたため、しばし放心状態に陥る。
11月まで細々と続けてきたエッセイドラフトを一気に仕上げ、あわせてUNCのインタビュー対策を行う。
一方で12月末にGREを受験し、GMATと求められる単語レベルの違いにおののく。
1月
年明けに9校出願(Stanford, Haas, UCLA, USC, Tepper, UNC, Ross, MIT, LBS, IESE)。MITのVideo Essayの台本作成・撮影
MIT出願前日にGRE2回目を受験するもアップデートできず、GMATのみ記載して出願
月末にInterview invitationが続々届き、GREの勉強と並行してインタビュー準備
2月
インタビューを受ける⇒反省点をRound氏に相談しtypical questionをアップデート⇒別の学校のインタビューを受ける、の毎日。
合間でGRE3回目受験(323)、直後に面接も兼ねてUSへキャンパスビジット(USC・UCLA現地インタビュー⇒Haas)、その後出張の合間を縫って欧州にキャンパスビジット(Cambridge⇒IESE⇒LBS)。スペインのホテルでLBSの追加ビデオエッセイの台本作成・撮影を行い、ロンドンでTepperのインタビューを受ける。帰国便を待つ空港でMITよりIntervie invitationと追加エッセイの依頼を受け、急ピッチで作成。
また、結果が出ておらず不安だったためCambridgenの4th roundへの出願を決意。2日でアプリケーションを仕上げて出願
3月
ビジットの内容を踏まえてtypical answerをアップデートしLBS、MITのインタビュー。
中旬より続々と良い結果を受け、安堵。
4月
MITより合格通知受領。
TOEFL
利用した予備校:Andy氏私塾、WebTOEFL、E4TG
・英検1級で下地はあると思ったものの、TOEFL出願スコア獲得には足掛け2年弱かかりました。
90点取得までに1年、そこから100を超え、105を超えるまでに少なくとも以下の期間を要しました。
単語を覚えてRが28以上になるまで2か月
スクリプトを見ながらひたすらリピーティングを繰り返してLが26以上取れるようになるまで4-6か月
テンプレートとtypicalなエピソードが口をついて出るまで練習し、Sで23安定するまで3か月
Sで蓄積した言い回しを使いこなし、Wで27以上取れるまで3か月
感覚的に、ベストスコア並べて105を超えれば100点、110点を超えれば105点が取れるイメージです。全てでベストを出すのは難しいので、ベストスコアで110超えたら後はサイコロ振ってよい目が出るのを待つしかないです。
上述の通り、TOEFLはここ2年くらいで難化(世界標準に合わせただけのようですが)したので、TOEFLにこだわり過ぎて時間とお金を浪費するよりも、IELTSへ移行するほうが賢明な場合もあります。自分の得意不得意を見極めつつ、最短ルートで出願スコア獲得できるには何が必要か逆算しましょう。
・Reading(最高スコア29、出願スコア27)
まずは単語力を鍛えるため3800のRank4までを暗記。その際3800公式アプリであやふやな単語をマーキングし、その単語だけをひたすら4択問題形式で解いていきました。
Rank1:46語, Rank2:171語, Rank3:431語, Rank4:484語全部やると大体1時間強かかるので、2日に1セットを目安に。
後半は3800公式アプリの代わりにmikanを使ってました。高校生対象のためやや子供っぽいUIですが、レスポンスは3800よりも早く、サクサク解けます。
単語を覚えた後は、Andy氏に膨大な問題集をもらえますので、それをひたすら解いていきました。
読む際も、ただ漠然と読むのではなく作者の主張・pros/cons・折衷案はあるのか等、接続詞を中心に解答の根拠となる語を探していきながら読むと正答率が上がります。
・Listening(最高スコア29、出願スコア29)
最も時間がかかったパートでした。Andy氏に問題集とスクリプトをもらった後は、問題集の1センテンス聞く⇒止めてリピーティング⇒スクリプトを見て内容確認⇒分からなかったら蛍光ペンでマーキング⇒全文終わったら最初からスクリプトを見ずに1センテンスずつ聞く⇒止める⇒リピーティングを繰り返しました。私は車通勤でしたので、行きかえりにリピーティングを繰り返していました。
問題集1問終えるのに大体30分程度、1日3問を目安に取り組んでいました。音声データはiphoneに取り込み、Audipoアプリを活用してトラック内移動をしてました。
・Speaking(最高スコア24、出願スコア23)
E4TGのドナルド氏の言う通り、日本の大学を卒業し、海外経験のほぼ無い受験生はテンプレートを使うことをお勧めします。テンプレートを活用して20点を安定して超えるようになり、typical episodeのストックを増やしていけば22~24で安定するようになりました。
焦らずかつよどみなく話し続けることと、質問にきちんと答えることを意識することが大事だと思います。また、Lが上達してくると1問当たりの回答時間を20秒以下に抑えられるようになるので、余った2-3分でヘッドホンを外し、周囲の回答を参考にするのもよいでしょう。
・Writing(最高スコア28、出願スコア27)
Integrateはリスニング勝負ですが、リーディングに書かれていることを素早くパラフレーズすることも重要です。
3つのポイントそれぞれにつき、リーディングで述べられていること2-3センテンス(主張、背景理由①、背景理由②)、リスニングで述べられていることを4-5センテンス(主張、反論理由①、その具体例、反論理由②、その具体例)にまとめるようにしました。
IndependentはSpeakingのtypical episode集が役立ちます。述べたいことを補強する例を具体的にかつ筋が通っているように文字数多く書くことが肝要です。
理由付けは2つを主張する方と3つを主張する方がいますが、私はTOEFL ResourcesのMichael氏の指示に従い2つの理由を具体的に書くようにしました。
GMAT
利用した予備校:Meister、Affinity
・足掛け8か月かけた上に年明けはGREにも手を付けました。3か月集中で取るべき!と主張されている方が多かったため1st締め切りから逆算してGW辺りに始めればよいと考え、Meisterを受講しましたが基礎が固まっていなかったため問題を解く⇒自己解釈で問題パターンを作る⇒当てはまらない問題に遭遇してパターンを増やす⇒prepで撃沈、を繰り返していました。このままではダメだと思い、再度お金をかける決意をして9月からAffinityを受講し、改めて問題パターンを勉強し直しOGを徹底的に見直してほぼすべての問題が10種類以下のパターンに当てはまることを直感的に感じたあたりからブレークスルーが起こった気がします。残念ながらそれを感じたのが12月中旬だったため私は時間切れでした。この感覚を持つくらいまで勉強しなければ本番は受けてはいけなかったのだと反省しています。
Essay
Round氏にお世話になりました。質の良いエッセイを作り上げるためには、自己を見直し強み/弱みを再整理するボトムアップな考え方と、スクールが何を求めていて、自分の今までの経歴(主に職歴)をどう脚色すれば求めているものにフィットするか?を考えるリバースエンジニアリングの考え方のバランスが重要と思います。Round氏はこのリバースエンジニアリングの考え方を重要視されており、今までの社会人人生を棚卸しして、スクールに合うエピソードを整理し、そのエピソードに基づき自分のCharacterを固めていきました。哲学者のように悩むこともなく、サクサクとレジュメ・エッセイが仕上がっていく過程は効率的で楽しいものでした。
Interview
いかに良いエッセイを書いても、スコアが高くても、経歴が豪華でも、インタビューで最大限アピールができなければ全て水泡に帰します。発音・delivery skillを高めるのはもちろんのこと、簡潔かつ的を射た解答を準備しましょう。Round氏との高密度なインタビュートレーニングを経て、最終的に50以上のtypical questitonに対する回答を準備した結果、どのような質問が来ても自分の持つカードを使ってキレの良い答えを返すことができました。
その他
MBAは情報戦ですが、~に行けば成績が上がるという特効薬があるわけではありません。自分の哲学に合うか合わないかを早期に見極め、不安を感じたらお金は諦めて他に移りましょう。
また、多くのカウンセラー・講師が誠意を持って受験生に向き合ってくれますが、中にはそうでない人もいます。私自身、情報をあまり持たない時に不義理な人間・サービスに引っかかってしまいました。各大学の在校生サイトに一定以上合格体験記が書かれている方は信頼してよいでしょう。サービスor個人の名前+MBA+日本人でググると、どこかの在校生サイトの体験記を見つけられるはずです。
受験生仲間を作り、情報交換を行うのもおすすめです。
最後に
受験準備では精神的なタフさが求められます。自分を追い込むことも大事ですが、理想と現実のギャップに苦しんだり、突発的な仕事やイベントが重なった時にいかに自分を追い込まないかという視点も大事です。また、苦しい時ほど時間がかかるのを覚悟で地道に基礎を磨くことを意識してください。キャンパスでお会いできることを楽しみにしています!